そんな経験を持つ人にこそ知ってほしいのが、Helinox Bench Oneだ。見た目は本当にシンプルなベンチ。なのに、従来の2人掛けイスの常識をいくつもひっくり返してくれる。
Helinox Bench Oneは「2人で座れるのに超軽量」が本当の魅力
ベンチと聞いて想像するのは、重たくてかさばる無骨なアウトドア家具かもしれない。Helinox Bench Oneを初めて手に取ると、その軽さに驚く。だって、実測約2kgちょっとで、大人2人が悠々座れるベンチが成立しているのだ。
重さの目安として、ペットボトルのお茶2リットルより少し重い程度。フレームは高強度ポールで知られるDAC製のアルミ合金で、持った瞬間「これ、本当に190kgまで耐えられるの?」と疑いたくなる華奢さと頼もしさが同居している。
収納サイズも秀逸だ。畳めば約45cm×16cm×16cmのスティック状になって、付属のケースにすっぽり。車のトランクはもちろん、バイクのシートバッグにだって横向きに入る。ツーリングキャンパーが愛用する理由は、まさにここにある。
実際に広げて座ってみた正直な感想
組み立ては「ポールを通すだけ」で本当に終わる
説明書がなくても直感的にわかるのが、ベンチワンのいいところ。ショックコード付きのポールを、座面の四隅にあるスリーブに通して、脚部のハブにカチッとはめ込む。テンションがかかってピンと張る瞬間が気持ちいい。
これ、構造としては同ブランドの名作チェア「チェアワン」と同じ。だから壊れにくいし、ぐらつかない。座面がたわみすぎてお尻が沈むようなベンチとは、根本的に剛性感が違う。
座り心地は「二人でも一人でもゆったり」
座面の幅は約110cm。大人2人で座ると、肩が触れるか触れないかの絶妙な距離感。肘掛けがないから、どちらからでも立ち上がりやすい。片側だけちょっと浅く腰掛けて、焚き火をいじる姿勢もラクに取れる。
一人で使うなら、文句なしの特等席だ。真ん中にあぐらをかいたり、横向きにだらんと脚を投げ出したり。ベンチの上で好きな体勢をとれる自由さは、普通の一脚チェアにはない贅沢だ。
通気性も実は侮れない
座面にはメッシュパネルが部分的に使われている。真夏の直射日光が当たるサイトで座り続けても、背中側ではない分汗ばみにくいのが救い。メッシュ部分から小さなゴミが入りにくい設計になっているのも、細かいところだが実際に使うとありがたいポイントだ。
他の2人掛けチェアとどう違うのか
キャンプ用品店に行くと、二人掛けベンチは主に二つのタイプに分かれる。ひとつは折りたたみ式のスチール製。もうひとつはクッション付きの布張りタイプだ。
スチール製は頑丈だが8kgを超えるものも多く、設営も折りたたみ時に指を挟みそうで気を遣う。布張りタイプは豪華な見た目だが、収束時のサイズが大きく、キャンプの撤収時に存在感を放ちすぎる。
Helinox Bench Oneは、そのどちらでもない。「軽量コンパクトな高級チェア」というジャンルを、2人掛けの世界にそのまま持ち込んだ製品だ。
耐荷重190kgという数字が、このベンチの本気度を物語っている。スチール製品に近い耐荷重を、わずか2kgのアルミフレームで実現しているのは驚くしかない。ただし正直に言うと、地面がぬかるんでいる時は脚が埋まりやすいので、別売りのボールフィートを併用するのがおすすめだ。
こんな人にこそ使ってほしい
山奥のキャンプ場を好むソロキャンパーにとって、ベンチを持っていく発想はこれまでなかったかもしれない。でもHelinox Bench Oneなら、いつものパッキングにすっと一本追加できる。夜、焚き火の前にこのベンチを置いて、一人で星空を見上げる時間は格別だ。荷物は微増するのに、サイト全体の満足感は大きく変わる。
オートキャンプでパートナーと並んで座りたい人にもぴったりはまる。椅子を2脚並べるより荷物がまとまるし、なにより隣との一体感が生まれて、会話が自然とはずむ。
バイクパッキングや自転車キャンプでも、このコンパクトさは強力な武器になる。車体の横にスマートにくくりつけられる2人用ベンチは、選択肢が極めて少ないからだ。
フェスやピクニック、公園でのちょっとしたお花見といったデイユースでも活躍する。重たくないから持ち運びのストレスがなく、地面からの適度な高さがあるので立ち座りもスムーズ。お年寄りとの外出時にも、こっそり車に積んでおくと重宝するだろう。
買う前にあると便利なアクセサリーと注意点
純正アクセサリーとして、先ほど触れたボールフィートは砂地や芝生で効く。Helinox Ball Feetをかませると脚のめり込みが抑えられて、安定感がぐっと増す。別途ケースが欲しい場合はHelinox Bench One Storage Bagもチェックしたい。
注意点はただ一つ、「安い買い物ではない」ということ。価格帯は3万円台後半で、一般的なキャンプベンチの数倍はする。ただ、軽さと耐久性をここまで両立した2人掛けチェアは他にほぼ無い。アウトドアの道具に「持ち運ぶストレスからの解放」という価値を見出せる人には、長く付き合える相棒になる。
アウトドアの楽しみ方は十人十色だけれど、誰かと並んで座る時間はきっと、どんなスタイルにも共通する幸せの一つだ。軽くて、丈夫で、かさばらない。Helinox Bench Oneは、そんな当たり前の贅沢をかなえるために生まれてきたベンチだと思う。

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