キャンプを始めようと思ったとき、最初にぶつかる壁がテント選びですよね。特に「2間」「3間」という言葉を見かけて、何のことだかさっぱり分からない。和室の広さを表す「間」でテントを考えるなんて、初心者にはちょっとハードルが高いですよね。
でも安心してください。この記事を読み終わるころには、あなたの家族構成やキャンプスタイルにぴったりのテントが明確になっているはずです。結論から言うと、実は市販のテントに「3間」というサイズ展開はほとんどありません。ではなぜ「3間」で検索する人がいるのか。その謎を解きながら、広さ選びの本質に迫っていきます。
「2間」「3間」ってそもそも何?テント選びで混乱する理由
まずは言葉の定義から整理しましょう。建築用語で「1間(いっけん)」は約1.82メートルを指します。つまり2間なら約3.64メートル四方、3間なら約5.46メートル四方という計算になります。
でもここで疑問が湧きませんか。「そんなでかいテント、見たことないぞ」と。
実はキャンプ用品業界で「2間」という表現が使われるとき、それは「2ルームテント」のことを指しているケースがほとんどなんです。寝室スペースとリビングスペース、合計2つの部屋があるから「2間」。ここまでは分かりますよね。
問題は「3間」です。寝室が2つあってリビングが1つ、合計3部屋構成のテントなんて、一般的なファミリーキャンプ用品としてはほぼ存在しません。大型のロッジ型テントやイベント用テントならあるかもしれませんが、普通のオートキャンプで使うものではないんです。
つまり「テント 2間 3間」で検索している人の多くは、こう考えている可能性が高い。
- 「2ルームテントと普通のドームテント、どっちを買えばいいんだろう」
- 「3人家族だけど、2ルームは大きすぎるかな」
- 「タープを別で買えば、実質3間みたいな使い方ができるのかな」
このモヤモヤをスッキリ解消していきましょう。
2ルームテントとは?ドームテント+タープとの決定的な違い
2ルームテントは、寝室部分とリビング部分が一体化したテントのことです。代表的なモデルで言えば、スノーピークのスノーピーク ランドロックやコールマンのコールマン タフスクリーン2ルームハウスが有名どころ。
一方で、普通のドームテントを寝室にして、別売りのタープをリビング代わりに張るスタイルもあります。これなら実質的に「寝室+リビング」の2間構成が作れるわけです。
では何が違うのか。決定的なのは「雨の日の快適さ」です。
2ルームテントは寝室とリビングが完全につながっているので、雨が降っても濡れずに行き来できます。朝起きてリビングに出たら靴がびしょ濡れ、なんて悲劇は起こりません。一方でドーム+タープの組み合わせは、間に隙間があるので雨の日はどうしても濡れてしまう。
でもタープ派にも言い分があります。「夏は風通しが良くて涼しい」「タープだけ撤収してテントはそのまま、なんて小回りが利く」などなど。
要は一長一短なんです。あなたのキャンプスタイルによって正解は変わります。
「2ルームテントはやめとけ」と言われる本当の理由
ネットで検索していると「2ルームテント やめとけ」というサジェストが出てきてドキッとしますよね。これにはちゃんとした理由があるんです。
まず最大のデメリットは「設営と撤収が重労働」なこと。たとえばコールマン タフスクリーン2ルームハウス LDXは重量が約30kg超。これを車から出して、広げて、ポールを通して、立ち上げて。慣れれば一人でもできますが、初心者ファミリーにはかなりハードルが高い。
さらに「乾燥が大問題」という声も。2ルームテントは巨大なので、雨に濡れた翌日の乾燥作業が本当にしんどい。自宅の庭やベランダで乾かせる広さがあるかどうか、購入前にしっかり考えておくべきポイントです。
そして見落としがちなのが「設営できるサイトが限られる」という現実。人気のキャンプ場は区画サイトが多く、なかには8m×8mといった狭い区画もあります。2ルームテントの場合、前室も含めると10m×10mくらいの広さがないと窮屈なんです。予約時にサイトサイズを必ずチェックする習慣をつけましょう。
家族構成別!必要なスペースの考え方
テント選びで一番大事なのは「広さ」です。でもカタログの「4人用」「6人用」という表示は、正直あてになりません。あれは「寝袋でぎゅうぎゅう詰めになれば寝られます」という意味だからです。
快適に過ごすための目安を、和室に置き換えて考えてみましょう。
夫婦2人キャンプの場合
寝室に必要なのは4.5畳程度。リビングに3畳あれば、椅子を置いてゆったり過ごせます。合計7.5畳あれば十分快適。ドームテント+小型タープでまったく問題ありません。あえて重たい2ルームテントを選ぶ必要はないでしょう。
家族3人(夫婦+未就学児)の場合
寝室に6畳、リビングに4畳あれば快適。合計10畳くらいが目安です。このあたりから2ルームテントが視野に入ってきます。でもドームテント+大きめタープでも十分対応可能。荷物の多さや車の積載量と相談です。
家族4人(夫婦+子ども2人)の場合
これが2ルームテントの出番です。寝室に8畳、リビングに6畳は欲しい。合計14畳。ドームテントではこの広さを確保するのが難しくなります。スノーピーク ランドロックなら寝室が約7畳、リビングが約10畳で合計17畳相当。4人家族でも余裕で過ごせます。
大人数やお友達ファミリーと行く場合
この場合は2ルームテント1つでは足りません。寝室が足りなくなるからです。ドームテントを複数張って、共用リビングとして大型タープを設営するスタイルが現実的。もしくは巨大なリビングシェルターと寝室用テントの組み合わせもありです。
天井高と耐水圧、見逃しがちな2つのチェックポイント
広さばかり気にしていると、意外なところで後悔します。それは「天井の高さ」と「耐水圧」です。
天井高は180cm以上が快適のボーダーライン
リビングで立ち上がって着替えをするとき、腰をかがめなければいけないテントは想像以上にストレスです。特に雨の日、一日中テント内で過ごすことになったとき、天井が低いと圧迫感で気分まで滅入ってきます。できれば寝室部分でも180cm以上あるモデルを選びたいところ。サバティカル ギリアは最大天井高210cmと開放感抜群です。
耐水圧はフライシート1500mm以上が最低ライン
耐水圧とは、どれだけの水圧に耐えられるかを示す数値。日本の一般的な雨ならフライシート(外側の防水布)で1500mmあればまず大丈夫です。でも地面からの浸水を防ぐフロア部分は2000mm以上が安心。コールマン コクーンIIIはフロア耐水圧10000mmと、水たまりができてもビクともしないレベルです。
おすすめ2ルームテント6選、用途別に紹介します
ここからは具体的な商品を見ていきましょう。どれが「一番」ではなく、あなたのスタイルに合うのはどれか、という視点で選んでみてください。
ファミリーの王道、スノーピークスノーピーク ランドロック
2ルームテントと言えばこれ。重さ約22kgと意外に軽量で、設営も比較的スムーズ。何より立ち姿が美しく、所有欲を満たしてくれます。別売りオプションでシールドルーフを付ければ夏も涼しく過ごせる。長く使える一生モノを探している人に。
コスパ最強、コールマンコールマン タフスクリーン2ルームハウス LDX
「とにかく安く2ルームデビューしたい」という人向け。重量は30kg超と重いですが、その分生地は丈夫で長持ちします。メッシュパネルが多く夏場の通気性も良好。初心者ファミリーの入門機として人気があるのもうなずけます。
プレミアムを求めるならコールマンコールマン コクーンIII
マスターシリーズと呼ばれるコールマンの最上位モデル。生地は分厚い210デニール、耐水圧も桁違い。サイズも約6.7m×4mと超大型で、リビングの広さは圧巻です。ただし重量34kgと設営は重労働。電動ポンプ必須と考えてください。
設営ラクラク派にはゼインアーツゼインアーツ オキトマ2
2ルームテントの常識を覆す軽量コンパクト設計。重量はわずか7.2kg。フレームが自立式なので一人でも簡単に設営できます。ただしサイズは4m×2.9mと控えめで、リビングスペースは広くありません。「寝室+ちょっとした前室」くらいの感覚で使うのが正解です。
焚き火好きにはDODDOD カマボコテントソロTC
TC素材(ポリエステルとコットンの混紡)を使っているので、焚き火の火の粉が飛んでも穴が開きにくい。結露もしにくく、秋冬キャンプにぴったり。ソロから2人用とコンパクトなので、夫婦キャンプで2ルームスタイルを楽しみたい人におすすめです。
コスパと機能のバランスならビジョンピークスビジョンピークス トレスアーチ2ルームテント
サイドタープと一体型のルーフフライが標準装備されていて、雨の日の出入りも快適。価格も手頃で、3人までの少人数ファミリーに向いています。最初の一台として検討する価値は十分にあります。
実はこれが一番大事。必要なサイトサイズを見極めよう
テントを買ってから「設営できませんでした」なんて悲劇、絶対に避けたいですよね。そのために必ずやっておきたいのが「サイトサイズの確認」です。
キャンプ場の予約サイトには、区画の広さが記載されています。たとえば「約100平方メートル(10m×10m)」といった具合。でもここで注意。10m×10mだからといって、10mサイズのテントが張れるわけではありません。
ロープを張るためのスペースや、車を停める場所も必要です。目安としては、テントの最大辺の1.5倍くらいのサイトが必要と考えてください。つまり全長6mのテントなら、最低9m×9mの区画は欲しいところ。
もし予約したサイトが狭かったら、泣く泣くレイアウトを変更するしかありません。車をサイト外の駐車場に停めさせてもらえるか、事前にキャンプ場に確認しておくと安心です。
テント2間3間、結局どっちが正解なのか
ここまで読んでいただければ、もうお分かりだと思います。「2間か3間か」という問い自体が、実はちょっとズレていたんです。
正しい問いは「自分のキャンプスタイルに合った広さとレイアウトは何か」です。
2ルームテントは雨の日に強く、リビングと寝室が一体になった快適さがあります。でも設営は重労働で、乾燥も大変。ドームテント+タープは小回りが利き、夏は涼しく過ごせる。でも雨の日の移動は濡れてしまう。
どちらにもメリットとデメリットがあるからこそ、あなた自身の優先順位をはっきりさせることが大切です。
「設営の手間より、滞在中の快適さを優先したい」なら2ルームテント。
「身軽に動きたいし、いろんなキャンプ場を転々としたい」ならドーム+タープ。
ちなみに筆者は両方持っています。夏のファミリーキャンプはタープ+ドーム。秋冬のまったりキャンプは2ルーム。そんな使い分けも、慣れてくると楽しくなってきますよ。
まずは最初の一台を、この記事を参考にじっくり選んでみてください。きっとキャンプがもっと好きになるはずです。

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