キャンプや登山、フェスにツーリング。「ちょっと腰掛けたい」その一瞬のために、わざわざ重たいチェアを担いでいくのはもう終わりにしませんか。
今日は、バッグに忍ばせておける相棒、ヘリノックス スピード スツールのリアルな使用感をお届けします。軽さと引き換えに失ったものは何なのか、それでも手放せない理由はどこにあるのか。実際に使い倒したからこそ見えてきた、本音のレビューです。
まずは衝撃の“軽さ”を体感してほしい
このスツール、手に取った瞬間に「おっ」と声が出ます。
本体重量はたったの415g。500mlのペットボトルとほぼ同じ重さです。収納サイズもバゲットよりひと回り小さいくらいで、バックパックのサイドポケットにスッと入ってしまう。荷物を1gでも軽くしたい縦走登山や、積載に制限があるバイクツーリングでは、この軽さが効いてくるんですよね。
こんな経験ありませんか。
「あの丘の上でコーヒーを飲みたい」と思っても、椅子がないから地面に直座り。お尻は汚れるし、立ち上がるたびに「よっこいしょ」と気合がいる。スピードスツールがあれば、そのストレスから解放されます。テント泊の時は靴を履いたり脱いだりする時のちょっとした腰掛けに。焚き火の前に置けば、薪をくべる時の前傾姿勢がぐっとラクになるんです。
「スピード」の名前はダテじゃない。設営は文字通り一瞬
設営が本当に早いんです。袋から出してポンと放り投げれば、中に通ったゴムコードの力で自動的にフレームが広がる。あとは座面の生地を四隅のポールに差し込むだけ。慣れれば30秒もかかりません。
これ、地味にすごいことです。疲れてテン場に着いた時、複雑な組み立て手順って想像以上にストレスになります。その点これは、バッと出してパッと座れる。
口コミで「ポールがうまくはまらない」という声を見かけましたが、それにはちょっとしたコツがあります。座面のフレームを入れるポケット、ちゃんと向きがあるんですよね。初めて使う時はグイッと力を入れず、差し込み口を確認しながらゆっくり差し込むのがコツです。コツさえ掴めば、女性でもまったく問題なく扱えます。
座り心地は想像以上。でも、限界もちゃんとある
座面の高さは約28cm。数字だけ見ると「低っ!」と思うかもしれません。でも、これが絶妙なんです。
低すぎて膝を抱えるような姿勢になるわけでもなく、高すぎて作業がしづらいわけでもない。料理をする時、前かがみになりすぎない高さなんですよね。ベンチタイプで横幅に余裕があるから、窮屈さはゼロ。ちょっと身体をひねったり、足を伸ばしたりしても安定感があります。
座面の生地は600デニールの丈夫なポリエステル。触ると「シャリッ」とした硬めの質感で、ヘタリとは無縁そうです。フレームはテントポールで有名なDAC社のアルミ合金。耐荷重は100kgまで対応しているので、多くの方にとって十分なスペックでしょう。
ただし、リアルな注意点もお伝えしておきます。
まず、軟弱な地面での使用です。キャンプ場の芝生や砂地では、脚がググッと沈んでしまうことがあります。脚の先端が尖っているわけではないので、雨上がりの柔らかい土では要注意です。沈み込みが気になるなら、別売りのグラウンドシート(通称:雪輪)を併用するのがおすすめです。
そして、背もたれはありません。これはスツールなので当然なのですが、のんびりと星空を眺めてビールを飲む…みたいな使い方には正直向きません。ヘリノックス チェアワンと迷っている方は、自分のアウトドアスタイルを想像してみてください。作業や食事など“動”の時間が多いならスツール、焚き火をボーッと眺める“静”の時間が多いならチェア、という選び方が正解です。
ぶっちゃけ「ここだけが惜しい」正直レビュー
良いところばかりじゃなく、気になった点も包み隠さず話しますね。
まず価格。コンパクトなのに定価はそれなりにします。「たかが一脚の簡易椅子でしょ?」と思うと、確かに高い。でもDACのフレーム技術や5年保証まで含めて考えると、超軽量ギアとしての完成度に投資するイメージです。
それから耐久性について。僕自身は問題なく使えていますが、ネット上では「初回使用時に破損した」というレビューも見かけます。設営時に無理な力を加えたか、たまたま初期不良にあたったか。もしもの時に5年保証があるというのは、安心材料のひとつです。
「座面が低い」「背もたれがない」という口コミも散見されますが、それはもう製品のコンセプトそのもの。軽さとコンパクトさを突き詰めた結果、削ぎ落とされた機能なんですよね。
バス待ちやフェス休憩に。広がる日常使いの可能性
このスツール、アウトドアだけに使うのはもったいない。
先日、とあるレビューを読んでハッとさせられました。身体的な事情で長時間の歩行が難しい方が、このスーツールを「外出のためのモビリティツール」として愛用しているという話。散歩の途中、信号待ちやバス停でスッと取り出して一休み。それだけで行動範囲がグンと広がったそうです。
考えてみれば、お年寄りの方との散歩や、小さな子どもを連れての公園遊び。疲れた時に自分の椅子があるって、それだけで安心感が違います。フェスや野外イベントで、腰掛ける場所がない地べた待機のストレスからも解放されますよ。
スピードスツールはこんな人に、心底おすすめしたい
最終的に、この一脚は「軽さ」と「機動性」にすべてを賭けた製品だと思います。
キャンプのギアをとことん軽量化しているUL志向の方。バイクや自転車で身軽に旅に出たい方。山登りの途中、好きな場所でさっと休憩を取りたい方。日常でも「ちょっと座りたい」が頻繁にある方。
そんな“身軽さを最優先したい人”にとって、ヘリノックス スピード スツールはきっと期待を裏切りません。
逆に、ゆったりとくつろぎたい焚き火の時間を大切にしている人には、素直に背もたれ付きのチェアをおすすめします。
道具は、使う人のシーンにハマってこそ価値が生まれます。もしあなたが「ちょっとした座る場所」を手に入れたいなら、このスピードスツールは、想像以上にあなたのアウトドアを変えてくれるはずです。

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