「キャンピングカーって、週末のレジャーだけのものじゃないの?」
そう思っている人、けっこう多いんじゃないでしょうか。でも最近、街なかで見かける機会が増えてきたのが、軽トラックをベースにした小さなキャンピングカー「テントむし」です。
コンパクトなボディにポップアップルーフ。見た目はかわいらしいのに、中に入ればちゃんと寝られる空間がある。そんなギャップに惹かれて、「これ、普段の足としても使えるのかな?」と気になっている方も多いはず。
ただ、気になるのはやっぱり普段使いの現実ですよね。買い物に行くとき、駐車場は困らないのか。維持費って結局いくらかかるのか。そして何より、実際に毎日乗っている人はどんなことを感じているのか。
この記事では、テントむしを実際に所有しているオーナーさんの声や、メーカー公式の情報をもとに、日常使いのリアルな姿を深掘りしていきます。キャンピングカーを「旅の道具」としてだけでなく、「生活の相棒」として考えたい方に、きっと役立つ内容になっています。
そもそも「テントむし」ってどんなクルマ?
まずは基本のおさらいから。テントむしは、バンショップミカミというメーカーが手がける軽キャンピングカーです。ベースになっているのはダイハツ ハイゼットトラック。つまり、街なかでよく見かける軽トラがベースなんですね。
軽自動車登録になるので、税金や維持費がとにかくリーズナブル。そこにポップアップルーフを載せて、室内で立てる高さを確保しつつ、就寝スペースも作り込んでいる。そんな絶妙なバランスが人気の秘密です。
ちなみに、テントむしには大きく分けてふたつの選択肢があります。
軽自動車ベースの「テントむし」
全長3,390mm×全幅1,470mmという軽規格サイズ。まさに普段使いを意識したモデルで、コンビニやスーパーの駐車場にもスッと入れられます。取り回しの良さは折り紙つき。燃費も実走行で12〜15km/Lくらい走るという報告が多く、日常の足としてのポテンシャルはかなり高いです。
普通車ベースの「Dテントむし」
こちらはトヨタ タウンエーストラックがベース。全長4,550mm×全幅1,800mmとひと回り大きくなります。そのぶん室内はゆったりしていて、ファミリーで使うなら断然こっち、という声も多いですね。ただ、立体駐車場によっては高さ制限に引っかかることもあるので、普段使いするエリアの駐車場事情は要チェックです。
維持費っていくらかかる?軽自動車ベースの経済性を検証
キャンピングカーというと「維持費がかかりそう…」というイメージ、ありませんか?でも、テントむしの場合はちょっと事情が違います。
軽自動車登録なので、自動車税は年間で数千円。車検も軽自動車料金で済みます。高速道路の料金も軽自動車扱い。これが普通車ベースのキャンピングカーだと、税金だけで年間数万円違ってくるんですよね。
燃費についても、先ほど触れたように実走行で12〜15km/L程度。軽トラックとしては標準的な数値です。キャンピングカーなのに、維持費は「ちょっと大きめの軽自動車」くらいの感覚でいられます。
ただ、ひとつだけ注意したいのが任意保険。キャンピングカーは車両価格がそれなりにするので、車両保険をつけるかどうかで保険料が大きく変わります。新車で購入する場合は、しっかり見積もりを取っておいたほうが安心です。
毎日乗ってわかった!普段使いのメリットと意外な盲点
ここからが本題です。実際にテントむしを普段使いしているオーナーさんたちの声を集めてみると、メリットもデメリットもかなり具体的に見えてきました。
まずはうれしいポイントから
駐車場で困ることが少ない
軽自動車サイズというのは、やっぱり強いです。スーパーの屋上駐車場、コインパーキング、ちょっと狭めの路地。普通車だと「あ、ここ入れにくいな…」と思う場所でも、テントむしならスッと収まります。これは日常使いでかなりストレスフリー。
視界が良くて運転しやすい
軽トラックベースなので、着座位置が高め。前方の見通しが良くて、意外と運転がラクなんです。キャンピングカーにありがちな「運転しづらそう」という先入観は、テントむしに関してはあまり当てはまりません。
急な雨でも車内で着替えられる
これは実際にオーナーさんが言っていたことですが、ポップアップルーフを上げれば車内で立てるので、たとえば子供のスポーツ観戦のあと、雨でびしょ濡れになった服をさっと着替えさせられる。そういう「ちょっとした困った」に対応できるのは、キャンピングカーならではの強みです。
そして知っておきたい注意点
乗り心地は軽トラそのもの
これはもう、仕方のない部分ではあります。リヤサスペンションが板バネなので、段差を乗り越えるときの突き上げ感は正直あります。「乗用車みたいな快適さ」を期待すると、ちょっと違うかな、という印象です。
高速道路は80km/hが快適圏
パワー的にも、風切音やエンジン音的にも、80km/hくらいが「無理なく気持ちよく走れる」速度域です。それ以上出すことも可能ですが、エンジンがうなり始めて車内もにぎやかになります。週末の遠出で高速を使うときは、時間に余裕を持って走るのがおすすめです。
ポップアップルーフは天候次第
室内で立てるのは大きな魅力ですが、強風の日や雨の日はポップアップを上げられません。日常の買い物でそこまで気にする場面は少ないかもしれませんが、キャンプや車中泊のときは要注意です。
リアボックスって必要?積載問題を解決する神オプション
テントむしで意外と話題になるのが「収納」の問題です。
キャンプ道具やアウトドア用品って、どうしても汚れたり濡れたりしがちですよね。それをそのまま室内に積み込むのは、やっぱり気が引ける。そんな悩みを解決してくれるのが、オプションのリアボックス、通称「ウルトラボックス」です。
これ、価格は15万円ほどするんですけど、実際に付けているオーナーさんの満足度がやたら高いんです。
理由はシンプルで、
- 濡れたテントやタープを気兼ねなく放り込める
- 登山靴の泥汚れも室内に持ち込まない
- ペットを乗せるときの臭い対策にもなる
- ゴミの一時保管場所として超便利
つまり、室内空間を「きれいに保てる」という安心感が得られるんですね。普段使いの買い物でも、たとえば園芸用の土や肥料を買ったとき、リアボックスがあれば車内が汚れる心配ゼロです。キャンピングカーを日常の足として使うなら、このオプションはかなり有力な選択肢になると思います。
気になる価格と納期事情。今買うならいくらかかる?
ここまで読んで「いいな」と思った方に、現実的なお話もしておきます。
テントむしの新車価格は、タイプや駆動方式によって390万円〜430万円くらいが目安です。軽自動車としては高額ですが、キャンピングカー全体で見ればエントリークラスと言えます。
ただ、ここで立ちはだかるのが納期問題。
テントむしは人気車種ということもあって、新車で注文すると納車まで2年から5年待ちというケースがザラにあります。当然、中古市場でも値段が下がりにくく、状態の良いものは新車価格に近い値段で取引されることも。
「今すぐ欲しい」という方には正直厳しい状況ですが、キャンセル待ちやディーラー在庫をこまめにチェックしていると、思わぬタイミングで出会えることもあるそうです。焦らず、じっくり探す姿勢が大切ですね。
まとめ:テントむし普段使いは「割り切り」がカギになる
テントむしの普段使いについて、いろいろな角度から見てきました。
結論から言うと、「キャンピングカーを日常の足にしたい」という方にとって、テントむしはかなり現実的な選択肢です。軽自動車ならではの経済性と機動性は、毎日乗るクルマとして大きなアドバンテージになります。
ただし、それは「軽トラックの乗り心地を受け入れられるか」という、ある種の割り切りができるかどうかにかかっています。静粛性や快適性を最優先するなら、素直に乗用車を選んだほうが幸せかもしれません。
逆に言えば、「キャンプや車中泊の楽しさを日常にもちょっと持ち込みたい」「週末のアウトドアがメインだけど、平日もこのクルマで移動したい」という方にとっては、これ以上ない相棒になるはずです。
「普段使いできるキャンピングカー」という、ちょっと欲張りな願いを叶えてくれるテントむし。もし街なかで見かけたら、「あ、この人もきっと、日常をちょっとだけ特別にしているんだな」と思って眺めてみてくださいね。

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