「雨の日の登山やランニング、レインウェアを着ると中がサウナ状態でびしょびしょ……」
そんな経験、一度や二度ではありませんよね。
防水ウェアの代名詞といえば「ゴアテックス」ですが、今、アウトドア業界でその勢力図を塗り替えようとしている革命的な素材があります。それが、ノースフェイスが威信をかけて開発した「フューチャーライト(FUTURELIGHT)」です。
「本当に蒸れないの?」「防水性は大丈夫?」「高い買い物だから失敗したくない」
そんなあなたの疑問を解消するために、フューチャーライトの正体を徹底的に解剖していきます。
そもそもノースフェイスのフューチャーライトとは何なのか?
ノースフェイス フューチャーライトは、2019年に登場した次世代の防水透湿素材です。
これまでの防水ウェアの常識は「外からの水は防ぐけれど、中の湿気(水蒸気)を逃がすのは少し時間がかかる」というものでした。しかし、フューチャーライトはこの常識を根本から覆しました。
その秘密は「ナノスピニング」という独自の製造技術にあります。
これは、ポリウレタンの繊維をナノレベル(ミクロの単位)で吹き重ねることで、シート状の膜(メンブレン)を作り出す手法です。イメージとしては、非常に細かい網目を持つ「クモの巣」を何層にも重ねたような構造。
この微細な隙間が、雨粒は通さないけれど、空気そのものは自由に行き来させることを可能にしました。これが、これまでの素材にはなかった「防水通気」という新しい概念です。
実際に使ってみてわかった「蒸れない」の本当のところ
結論から言うと、フューチャーライトの「蒸れにくさ」は本物です。
従来のゴアテックスの場合、ウェア内部の温度や湿度が十分に上がって、外気との「差」が生まれることで初めて透湿が始まります。つまり、少し汗ばんでから効果を発揮する仕組みです。
対してフューチャーライトは、着た瞬間から空気が循環しています。止まっている時も、歩き出した瞬間も、常に換気が行われているような感覚です。
特にトレイルランニングや急勾配の登りなど、心拍数が上がるアクティビティではその差が顕著に出ます。「今まではここでウェアを脱いでいたな」という場面でも、着たままで体温調整が完結してしまう。この「着脱の手間が減る」というメリットは、アウトドアにおいて計り知れない恩恵をもたらします。
ゴアテックスとの決定的な違いはどこにある?
よく比較されるゴアテックスとフューチャーライト。どちらが優れているかという議論になりますが、正解は「用途によって使い分けるべき」です。
まず、着心地が全く違います。
ゴアテックスはパリッとした硬めの質感が特徴で、強力な防風性と安心感があります。一方、フューチャーライトは驚くほどしなやかで柔らかい。ストレッチ性も備えているため、ノースフェイス ドリズルジャケットのように、まるでソフトシェルを着ているかのような軽やかな動きが可能です。
次に防風性です。
ここが選ぶ際の重要なポイントになります。ゴアテックスは風をほぼ完璧にシャットアウトしますが、フューチャーライトは「通気」するがゆえに、強風の稜線などではわずかに風を感じることがあります。
冬山や極地のような、風に体温を奪われることが命取りになる環境ではゴアテックスに分がありますが、湿度の高い日本の夏山や、運動量の多いアクティビティではフューチャーライトが圧倒的に快適です。
ユーザーの評判から見えるメリットとデメリット
実際に愛用しているユーザーの声を集めてみると、興味深い傾向が見えてきました。
多くの人が絶賛しているのは、やはり「静音性」と「しなやかさ」です。
従来のレインウェアは歩くたびに「カサカサ、ゴワゴワ」と音がしますが、フューチャーライトは非常に静か。これがストレス軽減につながるという意見が多いです。また、街着として着用しても違和感がないため、ノースフェイス マウンテンライトジャケットのフューチャーライト版などを日常使いする人も増えています。
一方で、気になる評判としては「保温性の低さ」が挙げられます。
通気性が良いため、冬場にじっとしていると体温が逃げやすいと感じるユーザーもいます。これは素材の特性上仕方のないことですが、フリースやアクティブインサレーション(動ける中綿)をうまく重ね着(レイヤリング)することで解決できる問題でもあります。
また、撥水性についても正しく理解しておく必要があります。
表面の生地が濡れてしまう(保水する)と、せっかくのナノ隙間が水の膜で塞がれてしまい、通気性が低下します。これはどの防水素材にも言えることですが、フューチャーライトの快適さを維持するには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
失敗しないためのフューチャーライトの選び方
ノースフェイスの製品ラインナップには、多くのフューチャーライト採用モデルが存在します。どれを選べばいいか迷ったら、自分の「活動強度」を基準にしましょう。
もし、あなたがハイキングやキャンプ、フェスなどでの使用がメインなら、ノースフェイス FL ドリズルジャケットがベストチョイスです。軽量でしなやか、コストパフォーマンスにも優れています。
より過酷な環境での登山やクライミングを想定しているなら、耐久性の高い表地を採用した上位モデルを検討してください。フューチャーライトはメンブレン(防水膜)自体が薄いため、岩場などで擦れる可能性がある場合は、デニール数(生地の厚み)が高いものを選ぶのが安心です。
また、サイズ感についても注意が必要です。
海外ブランドのサイズ展開に近いものもあるため、試着の際は中に何を着込むかを想定し、腕の上げ下げがスムーズにできるかを確認しましょう。
機能を長持ちさせるメンテナンスのコツ
高価なノースフェイス レインウェアを購入したら、できるだけ長く使いたいですよね。フューチャーライトの機能を維持する最大の秘訣は「洗濯」です。
「防水ウェアは洗うと防水が落ちる」というのは大きな間違いです。
皮脂汚れや泥が繊維に詰まると、通気性が損なわれるだけでなく、生地の劣化(加水分解)を早める原因になります。
洗濯機を使用する際は、必ず中性洗剤(柔軟剤なし)を使い、すすぎを念入りに行いましょう。そして最も重要なのが、乾燥です。
洗濯後、日陰で干した後に乾燥機で20分ほど温風を当てることで、表面の撥水機能が復活します。熱を加えることで、寝てしまった撥水分子が再び立ち上がるからです。これだけで、雨の日の弾きが劇的に変わります。
ノースフェイスのフューチャーライトは蒸れない?ゴアテックスとの違いや評判まとめ
最後に、改めてフューチャーライトについて振り返ってみましょう。
ノースフェイスが開発したこの新素材は、単なる「雨具」の枠を超え、どんな天候でも脱がずに動き続けられる「究極のアクティブウェア」へと進化を遂げました。
- 着た瞬間から換気が始まる圧倒的な通気性
- レインウェアの概念を変えるしなやかな着心地
- 高負荷なスポーツでも「蒸れ」を最小限に抑える
ゴアテックスのような「鉄壁の防御」とはまた違う、身体の動きと呼吸に寄り添うような快適さが、フューチャーライト最大の魅力です。
もちろん、防風性の面などで注意点はありますが、レイヤリング次第でその可能性は無限に広がります。もし、あなたがこれまでのレインウェアに窮屈さや不快感を感じていたのなら、ノースフェイス フューチャーライトを試してみる価値は十分にあります。
次の山行やランニングで、その「呼吸する感覚」をぜひ肌で体感してみてください。きっと、雨の日のアクティビティがもっと自由で、楽しいものに変わるはずですよ。

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