「ノースフェイスのジャケットが欲しいけれど、ゴアテックスは高すぎる……」
「タグに書いてある『HYVENT』って、結局どんな性能なの?」
アウトドアブランドの王道、ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)。その製品を見ていると、必ずと言っていいほど目にするのが「HYVENT(ハイベント)」というロゴです。
ゴアテックス(GORE-TEX)と何が違うのか、雨の日にどれくらい頼れるのか、そして「ボロボロになる」という噂は本当なのか。
今回は、ノースフェイス独自の防水透湿素材「ハイベント」の正体を、初心者の方にもわかりやすく深掘りしていきます。この記事を読めば、あなたが選ぶべき一着がハイベントで十分なのか、それともゴアテックスにすべきなのかがハッキリわかりますよ!
ノースフェイス独自の防水透湿素材「ハイベント」の正体
ハイベントを一言で説明するなら、ザ・ノース・フェイスが独自に開発した「防水透湿性(ぼうすいとうしつせい)素材」のことです。
「防水透湿」とは、外からの雨や雪の侵入はしっかり防ぎながら、衣服内のムレ(水蒸気)だけを外に逃がしてくれる魔法のような機能のこと。雨の日にカッパを着て、中が汗でビショビショになった経験はありませんか?ハイベントはその不快感を最小限に抑えてくれる優れものです。
この素材は、マウンテンパーカーの代名詞的存在であるドットショットジャケットなどの人気モデルに長年採用されてきました。
ハイベントの仕組みは、素材の表面に特殊なポリウレタンコーティングを施すことで、目に見えないほど微細な穴を無数に作っています。この穴は水滴よりも小さく、水蒸気よりも大きいため、「水は通さないが風(蒸れ)は通す」というメカニズムを実現しているのです。
ハイベントとゴアテックスの違いはどこにある?
ノースフェイスのウェアを選ぶ際、最大の悩みどころが「ハイベント」と「ゴアテックス」の比較ではないでしょうか。
結論から言うと、この二つの最大の違いは「素材の成り立ち」と「コスト」にあります。
ゴアテックスは、ゴア社という外部メーカーが製造した非常に高性能なメンブレン(膜)を使用しています。防水・透湿性能において世界最高峰の基準を誇り、エベレスト登山などの極限状態にも耐えうる信頼性があります。その分、ライセンス料などの関係で製品価格はかなり高価になります。
対するハイベントは、ノースフェイスの自社開発素材です。
そのため、ゴアテックス製品に比べて価格が圧倒的にリーズナブル。一方で、数値上の透湿性(蒸れにくさ)や、何十年も使い続けられるほどの耐久性においては、ゴアテックスに一歩譲るというのが正直なところです。
「年に数回のキャンプやフェス、普段の雨対策」ならハイベントで十分すぎるほど快適です。逆に「本格的な冬山登山や、過酷な縦走」を考えているなら、ゴアテックスを選ぶのが正解。自分のライフスタイルに合わせて選ぶのが、賢い買い物と言えるでしょう。
種類によって性能が変わる!2層・2.5層・3層の違い
一言に「ハイベント」と言っても、実はいくつかの構造に分かれています。これを知っておくと、用途に合わせた最適なモデルを選べます。
まず、最も一般的で軽量なのが「ハイベント2.5層(2.5L)」です。
表地と防水コーティングに加えて、肌に触れる面に微細なドットプリントなどを施したタイプ。裏地がない分、驚くほど軽く、コンパクトに畳めます。旅行の持ち運びや、急な雨に備えるベンチャージャケットなどに採用されています。
次に「ハイベント3層(3L)」。
これは表地、防水膜、裏地の3つを貼り合わせた構造です。肌触りがサラッとしていて、耐久性が非常に高いのが特徴。本格的なトレッキングなど、長時間着用し続けるシーンに向いています。
最後に「ハイベント2層(2L)」。
これは表地と防水膜のみの構造で、内側にはメッシュの裏地が別で付いていることが多いタイプです。厚みが出るため防寒性が高く、キャンプや冬のタウンユースで活躍します。
ハイベントの寿命と「ボロボロ」になる加水分解の正体
「ハイベントのジャケットを古着で買ったら、内側がポロポロ剥がれてきた」
そんな話を聞いたことはありませんか?これは「加水分解(かすいぶんかい)」という現象です。
ハイベントの主成分であるポリウレタンは、空気中の水分や汚れと反応して、時間が経つと少しずつ劣化していきます。一般的に、ハイベントの寿命は製造から「3年〜5年程度」が目安と言われています。
劣化が進むと、内側のコーティングが白く粉を吹いたり、ウロコのように剥がれたり、ベタつきが出たりします。こうなると残念ながら防水性能は失われ、元の状態に戻すことはできません。
しかし、絶望することはありません。この寿命は「お手入れ次第」で大きく伸ばすことができるのです。
お気に入りを長持ちさせる!正しい洗濯法とメンテナンス
「防水ウェアは洗うと防水が落ちる」と思っている方が多いですが、実はそれは大きな間違いです。
むしろ、洗濯をしないことこそがハイベントの寿命を縮める最大の原因。皮脂汚れや泥、汗が付着したまま放置すると、ポリウレタンの劣化が急激に進みます。定期的に洗うことで、素材のコンディションを保つことができます。
ハイベント製品の洗濯は、自宅で簡単に行えます。
- ファスナーやベルクロを全て閉じる
- 洗濯ネットに入れ、液体の中性洗剤を使用する
- 洗濯機の「弱水流」や「手洗いコース」で洗う
- 洗剤が残らないよう、しっかりすすぐ
- 日陰の風通しの良い場所で吊り干しする
注意点として、柔軟剤や漂白剤は絶対に使わないでください。これらは防水性能を著しく低下させます。
乾いた後に、低温設定のアイロンを当てるか、低温の乾燥機に20分ほど入れると、表面の撥水(はっすい)機能が劇的に復活します。水がコロコロと弾ける感覚が戻ると、雨の日の外出も楽しくなりますよ。
ハイベント製品を中古で選ぶ際の注意点
ノースフェイスは人気ブランドなので、中古市場でも多くのハイベント製品が流通しています。安く手に入るのは魅力ですが、特有の注意点があります。
中古品を購入する際は、必ず「内側のコーティングの状態」を確認してください。
特に首回りや袖口など、肌が直接触れる部分は劣化が早いです。写真で白っぽくなっていないか、粉のようなものが出ていないかをチェックしましょう。
製造から年数が経っているオールドモデルの場合、見た目が綺麗でも、一度洗濯した途端にボロボロと剥がれてくるケースもあります。「長く使い倒したい」のであれば、ノースフェイス レインウェアの新品を購入する方が、結果的にコストパフォーマンスが高くなることも多いです。
ハイベントが活躍する具体的なシーンとおすすめモデル
実際のところ、どんな場面でハイベントは輝くのでしょうか。
まずは、通勤や通学の「日常使い」です。
ゴアテックスのようなパリパリとした硬さが少なく、しなやかなハイベントは、街着として非常に優秀。突然の雨でもサッとフードを被れば傘いらず。電車内でのムレも、透湿性のおかげで不快感が抑えられます。
次に、音楽フェスやキャンプ。
アクティブに動き回る場面では、軽さが武器になります。特にコンパクトジャケットのようなモデルは、防風性も兼ね備えているため、朝晩の冷え込み対策にも最適です。
さらに、子供用のウェアとしてもハイベントは非常に人気です。すぐにサイズアウトしてしまう子供服に高価なゴアテックスは少しハードルが高いですが、ハイベントなら手頃な価格で本格的な雨対策をしてあげられます。
ノースフェイスのハイベントとは?ゴアテックスとの違いや寿命、洗濯法を徹底解説!のまとめ
ノースフェイス独自の素材「ハイベント」について詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
「ゴアテックスの廉価版」というイメージを持たれがちなハイベントですが、実際には「日本の日常生活やライトなアウトドアにおいて、最もバランスの取れた実用素材」と言えます。
- リーズナブルでありながら、高い防水・防風性能を持つ
- ゴアテックスよりも生地が柔らかく、動きやすい
- 寿命は3〜5年だが、こまめな洗濯で長持ちさせられる
- 街着、フェス、軽いハイキングにはこれ以上ない選択肢
寿命がある素材であることを理解し、正しくメンテナンスをすれば、ハイベントはあなたの強い味方になってくれます。
「自分にはオーバースペックな高級素材はいらないけれど、機能には妥協したくない」
そんな賢い選択をしたい方にこそ、ノースフェイスのハイベントは自信を持っておすすめできる素材です。
次のお出かけに向けて、あなたにぴったりのハイベントジャケットを見つけてみませんか?ノースフェイス ハイベントのラインナップから、お気に入りの一着を選んで、雨の日もアクティブに楽しみましょう!

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