ヴィンテージ古着の世界で、ひと際強い輝きを放つブランドといえばパタゴニアですよね。その中でも、古着屋さんの店員さんが「これはデカタグですね」と少し誇らしげに紹介してくれるアイテムがあります。
「デカタグって何?」「普通のタグと何が違うの?」
そんな疑問を持っている方のために、今回はパタゴニアの黄金期とも言える1980年代の象徴、通称「デカタグ」について深掘りしていきます。これを知れば、リサイクルショップの片隅に眠っているお宝を見逃さなくなるかもしれません。
パタゴニアの歴史を刻む「デカタグ」の正体
まず、デカタグとは何かという基本からお話ししましょう。パタゴニアの製品には、首元や胸元にブランドロゴが描かれた布製のタグが付いています。現行品で見かけるタグは、横長の長方形でシュッとした印象ですが、1980年代に採用されていたものは一回り、二回りとサイズが大きかったのです。
このサイズ感から、日本の古着ファンの間で親しみを込めて「デカタグ」と呼ばれるようになりました。
採用された年代とその背景
デカタグが使われていたのは、主におよそ1980年代初頭から1988年頃までと言われています。この時期は、パタゴニアがアウトドアウェアの常識を覆すような新素材を次々と世に送り出していた、まさに変革の時代です。
それまでの登山服といえばウールやコットンが主流でしたが、パタゴニアは速乾性に優れたパタゴニア パイルジャケットなどを開発し、多くのアウトドアマンを虜にしました。その過渡期を支えたのが、この存在感のあるデカタグだったのです。
なぜデカタグは愛されるのか
単にサイズが大きいだけなら、ここまで熱狂的なファンはつきません。デカタグが愛される理由は、その「時代背景を反映した作り込み」にあります。
この時代の製品は、現在の洗練されたシルエットとは異なり、どこか無骨で、身幅が広く着丈が短い「ボックスシルエット」が特徴です。また、多くのアイテムが「MADE IN USA(アメリカ製)」であり、当時のアメリカの質実剛健なものづくりを感じさせてくれます。この独特の空気感が、現代のファッションシーンにおけるオーバーサイズ気味の着こなしとも相性が良く、再評価されているのです。
決定版!デカタグの年代を見分ける「Rマーク」の法則
デカタグと一口に言っても、実は大きく分けて2つの種類が存在します。自分の持っているアイテムが「80年代前半」なのか「80年代後半」なのかを見分ける、魔法のようなチェックポイントをお教えします。
それは、ブランドロゴの右隣に「®(レジスターマーク)」があるかどうかです。
前期デカタグ(1980年代前半):レジスターマークなし
ロゴの右側に「®」が入っていないものは、デカタグの中でも「前期型」に分類されます。1980年から1984年頃までの短い期間に製造されたもので、希少価値は極めて高いです。
この時代のタグは、フィッツロイの山脈が少し控えめに描かれているようにも見え、ヴィンテージ特有のオーラが漂っています。もし手元にあるパタゴニア ヴィンテージのタグにRマークがなければ、それは相当なレア物と言えるでしょう。
後期デカタグ(1980年代後半):レジスターマークあり
1985年頃から1988年頃までの製品には、ロゴの右下に小さく「®」が入るようになります。これが「後期型」です。前期に比べれば流通数は多いものの、それでも40年近く前の代物。十分すぎるほど価値があります。
デザインとしては現在のロゴにかなり近づいていますが、やはりタグ自体のサイズが大きいことで、現行品とは明らかに違う「ヴィンテージ感」を主張してくれます。
デカタグ期に見逃せない名作アーカイブ
デカタグが付いているアイテムの中でも、特に市場で高値がつきやすく、コレクターが血眼になって探している名作をご紹介します。
伝説の「パイルジャケット」
パタゴニアの歴史を語る上で絶対に外せないのが、初期のフリース素材であるパイルジャケットです。表面は少し毛足が長く、モコモコとした独特の質感。裏地もパイル地になっており、防寒性能は抜群です。
デカタグ時代のパイルジャケットは、襟元がリブ仕様になっているものが多く、そのレトロな佇まいは今のハイテクウェアにはない温かみがあります。ベージュやネイビーといった定番カラーはもちろん、当時のパタゴニアらしい鮮やかなレッドやブルーも非常に人気があります。
シェルドシンチラジャケットの初期モデル
ナイロンのシェル(表地)にシンチラフリース(裏地)を組み合わせた「シェルドシンチラ」も、この時代に誕生しました。デカタグ期のシェルドシンチラは、現行のものよりもナイロンの質感が少し厚手でマットなことが多く、ガシガシ使い込めるタフさが魅力です。
初期型スナップT
今やパタゴニアのアイコンとなった「スナップT」。その最初期の姿も、このデカタグ時代にあります。ポケットの形状やスナップボタンの素材など、現行モデルと比較すると面白い発見がたくさんあります。
デカタグの希少価値と最新の市場相場
さて、気になるのは「今、いくらで買えるのか(売れるのか)」という点ですよね。2026年現在の市場動向をふまえて解説します。
結論から言うと、デカタグ製品の相場は「高止まり、あるいは緩やかな上昇」を続けています。理由は単純で、40年前の服ですから、状態の良い個体が年々減っているからです。
- 一般的なフリース・ナイロン類多少の使用感があるものでも、15,000円から30,000円程度で取引されることが一般的です。これが現行の中古品であれば数千円から1万円程度であることを考えると、デカタグというだけで3倍近い価値がついている計算になります。
- 希少なパイルジャケットや美品状態が良く、特にLサイズやXLサイズといった需要の高いサイズの場合、50,000円を超えることは珍しくありません。希少カラーやミントコンディション(新品に近い状態)であれば、100,000円以上のプライスがつくこともあります。
ヴィンテージ市場全体として、アメリカ製の古いアウトドアウェアを「一生モノの資産」として購入する層が増えており、今後もこの価値が大きく崩れることは考えにくいでしょう。
失敗しない!購入時・鑑定時のチェックポイント
古着屋さんやオークションサイトでデカタグのパタゴニア ジャケットを見つけた際、浮かれてすぐに飛びつくのは禁物です。ヴィンテージ特有のチェックすべきポイントがいくつかあります。
品質タグ(内タグ)で正確な年代を特定
襟元のデカタグだけでなく、脇の下付近にある白い品質表示タグを探してみてください。そこに「STY」や「STYLE」という表記に続く5桁の数字があれば、それがモデル番号です。
さらにその近くに「S5」や「F6」といったアルファベットと数字の組み合わせがあれば、製造年まで特定できます。例えば「F8」なら1988年秋モデル、という意味になります。デカタグの有無と、この内タグの情報が一致しているかを確認するのが、真贋判定の第一歩です。
経年劣化の度合いを確認
40年前のナイロン製品によくあるのが、裏地のコーティングの剥離です。触るとベタついたり、白い粉が吹いたりしているものは、修理が難しいため注意が必要です。また、フリースの「潰れ」や、ジッパーの開閉がスムーズかどうかも必ずチェックしましょう。
メンテナンスでデカタグを一生モノに
せっかく手に入れた貴重なデカタグ。長く着続けるためには、適切なケアが欠かせません。
パタゴニアの製品は、基本的に「洗濯機で洗える」ように作られています。汚れたまま放置するのが一番の劣化の原因です。中性洗剤を使い、ネットに入れて弱水流で洗うのが基本です。
ただし、乾燥機の使用は避けましょう。古い素材は熱に弱く、型崩れや縮みの原因になります。風通しの良い日陰でゆっくり干すのが、ヴィンテージパタゴニアへの敬意というものです。
もし破れやジッパーの破損が起きた場合は、パタゴニア公式のリペアサービスに相談してみるのも一つの手です。古いモデルでも対応してもらえる場合があり、プロの手で直された跡もまた、その服の「味」として刻まれていきます。
まとめ:パタゴニアのデカタグが教えてくれること
パタゴニアのデカタグは、単なる古い服のディテールではありません。それは、パタゴニアというブランドが世界中のクライマーや冒険家のために試行錯誤を繰り返していた、熱い時代の証人なのです。
レジスターマークの有無で歴史を辿り、アメリカ製のタフな作りを肌で感じる。そんな楽しみ方ができるのが、デカタグの最大の魅力と言えるでしょう。
これから古着屋さんへ行く際は、ぜひ首元のタグに注目してみてください。大きな山脈のロゴがあなたを待っているかもしれません。その一枚は、きっとあなたのワードローブの中で、代わりのきかない特別な一着になるはずです。
**パタゴニアのデカタグとは?年代の見分け方から希少価値・最新相場まで徹底解説!**を最後までお読みいただきありがとうございました。ヴィンテージパタゴニアの世界を、ぜひ存分に楽しんでください。

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