せっかく手に入れた憧れのパタゴニアのダウン。「一生モノ」として大切に着続けたいけれど、シーズン終わりの汚れやボリュームダウンが気になっていませんか?
「クリーニングに出すと高いし、かといって家で洗ってペシャンコになったらどうしよう……」と不安になりますよね。実は、パタゴニアのダウンは自宅で洗えます。しかも、スーパーやドラッグストアで簡単に手に入るエマールを使っても、ポイントさえ押さえれば新品のようなフカフカ状態を復活させることができるんです。
今回は、パタゴニア愛好家なら知っておきたい、エマールを使った失敗しない洗濯術と、ダウンの寿命を延ばすメンテナンスの極意を徹底解説します。
なぜパタゴニアのダウンに「エマール」が選ばれるのか
ダウンジャケットを洗う際、一番怖いのは「羽毛の油分を奪いすぎてしまうこと」です。ダウン(羽毛)には天然の脂分が含まれており、これが撥水性やふくらみ(ロフト)を保つ役割を果たしています。
一般的な粉末洗剤や洗浄力の強すぎる液体洗剤は、この大切な脂分までごっそり落としてしまい、羽毛がパサパサになって保温力が落ちる原因になります。
そこで登場するのが、おしゃれ着洗い用の中性洗剤であるエマールです。
- 中性であること: アルカリ性洗剤に比べて繊維や羽毛への刺激がマイルド。
- 型崩れ防止: 洗濯中の摩擦やダメージを抑える成分が入っている。
- 皮脂汚れに強い: 袖口や襟元の黒ずみの原因である皮脂を優しく浮かせて落とす。
もちろん、登山専用の特殊な洗剤も市販されていますが、街着として愛用しているパタゴニアのダウンであれば、エマールで十分すぎるほど綺麗に、かつ安全に洗い上げることが可能です。
洗濯機に入れる前の「3分間」の準備で仕上がりが変わる
「よし、洗おう!」と思っていきなり洗濯機に放り込むのはNGです。パタゴニアの製品を傷めず、汚れをしっかり落とすための下準備を行いましょう。
まずは、ジッパーやベルクロ(マジックテープ)をすべて閉じてください。開いたままだと、洗浄中にジッパーの歯がデリケートな表面のナイロン生地を引っ掻いてしまい、傷や破れの原因になります。
次に、特に汚れが目立つ場所をチェックします。
- アゴが当たる襟元
- 机と擦れる袖口
- ポケットの入り口
これらの箇所には、エマールの原液を直接少しだけつけ、指の腹でトントンと優しくなじませておきます。これだけで、洗濯機任せにするよりも格段に汚れ落ちが良くなります。
最後に、大きめの洗濯ネットに入れます。ネットに入れることで、洗濯槽の壁との摩擦を防ぎ、生地の劣化を最小限に抑えることができます。
洗濯機の設定:キーワードは「冷水」と「多めのすすぎ」
準備ができたら洗濯機へ。設定にはいくつか注意点があります。
まず、コースは必ず「手洗いコース」「ドライコース」「おしゃれ着コース」などの、弱水流で洗えるものを選んでください。強い脱水は羽毛が偏る原因になるため、できるだけ優しいコースが理想です。
水温については、30℃以下の冷水を使用します。お風呂の残り湯(温水)は、生地のコーティングを傷める可能性があるため避けましょう。
そして、最も重要なのが「すすぎ」です。
ダウンは構造上、内部に洗剤が残りやすい性質があります。洗剤が残ったまま乾かすと、羽毛がくっついて固まってしまい、ボリュームが戻りません。設定を「すすぎ1回」にしている方は、必ず「2回以上」に変更するか、手動で追加のすすぎを行ってください。
ちなみに、このとき柔軟剤は絶対に使わないでください。
「ふわふわにしたいから」と良かれと思って入れた柔軟剤が、羽毛をコーティングして重くしてしまい、ダウン最大の武器である「空気を含む力」を奪ってしまいます。
脱水後の「絶望」を乗り越える方法
脱水が終わって洗濯機から取り出したとき、多くの人が絶望します。
「……えっ、ぺちゃんこ。中の羽毛が塊になって、スカスカになってる!」
でも安心してください。これは正常な状態です。濡れた羽毛が束になっているだけなので、ここからの乾燥工程で魔法のように復活します。
もし、コインランドリーが近くにあるなら、乾燥だけでもコインランドリーに持ち込むことを強くおすすめします。家庭用の乾燥機よりもドラムが大きく、大量の熱風を送り込めるため、短時間で劇的にふっくら仕上がります。
乾燥機こそが本番:テニスボールが救世主になる
パタゴニアのダウンを自宅の乾燥機、あるいはコインランドリーで乾かす際、プロも実践する裏技があります。それがテニスボールを一緒に放り込むことです。
「えっ、ボールを一緒に入れるの?」と驚かれるかもしれませんが、これが非常に効果的です。
- 乾燥機の中にダウンと、清潔なテニスボール(または専用のドライヤーボール)を2〜3個入れます。
- 低温設定で乾燥を開始します。
- 回転するドラムの中でボールが跳ね、ダウンを「ポンポン」と叩いてくれます。
この振動と衝撃によって、内部で固まっていた羽毛がほぐされ、隙間に空気が入り込みます。手で一生懸命ほぐすよりも、はるかに均一に、そして新品のようなボリューム感に仕上がります。
乾燥時間は、家庭用なら1時間以上、コインランドリーなら40分〜50分程度が目安です。表面が乾いているように見えても、中の羽毛の芯が湿っていると、後で臭いやカビの原因になるため、「これでもか」というくらいしっかり乾燥させるのがコツです。
乾燥機がない場合の「自然乾燥」テクニック
もし乾燥機が家にない場合は、陰干しで時間をかけて乾かすことになります。ただし、放置するだけではふっくら感は戻りません。
まず、形を整えてハンガーではなく平干し(ネットの上など)にします。そして、1〜2時間おきにダウンを両手で挟んでパンパンと優しく叩き、中の羽毛を散らすようにほぐしてください。
完全に乾くまでには2〜3日かかることもありますが、この「こまめに叩く」作業をサボらなければ、自然乾燥でもロフトをある程度復活させることが可能です。
洗濯後に気づく「撥水力」の復活とメンテナンス
洗い上がったパタゴニアのダウンを見て、「あれ、前より水を弾くようになった?」と感じることがあります。
これは、乾燥機の熱によって、生地表面の撥水(DWR)加工の分子が再び整列し、機能が呼び覚まされた証拠です。パタゴニアのウェアは、熱を加えることで撥水性が回復するように設計されています。
もし、洗濯・乾燥をしても水を弾かない場合は、撥水剤を補うタイミングです。その際は、パタゴニアも推奨しているニクワックスなどの撥水スプレーや浸け置き剤を使用すると、雨や雪の日でも安心して着られるようになります。
また、万が一洗濯中に小さな破れを見つけたり、長年の使用で糸がほつれてきたりしても、パタゴニアには素晴らしいリペアサービスがあります。自分でケアをしながら、どうしても自分では直せない部分はプロに委ねる。このサイクルが、一つの製品を長く愛用するための秘訣です。
パタゴニアのダウンをエマールで洗う際の総仕上げ
最後におさらいしましょう。
エマールを使ってパタゴニアのダウンを洗うことは、決して難しいことではありません。むしろ、定期的に洗ってあげることで、羽毛に付着した汚れや湿気が取り除かれ、ダウン本来のパフォーマンスを引き出すことができます。
大切なポイントは3つだけ。
- 中性洗剤(エマール)を使い、柔軟剤は避けること。
- すすぎを念入りに行い、洗剤成分を一切残さないこと。
- 乾燥機とテニスボールを活用して、羽毛を芯からほぐすこと。
「汚れたらクリーニング」ではなく、「汚れたら家で愛情を持って洗う」。
そうすることで、袖を通すたびに愛着が湧き、パタゴニアのダウンはあなたにとって本当の意味での「相棒」になっていくはずです。
次の週末、クローゼットで少し元気のなくなったダウンを、ぜひエマールで優しくリフレッシュさせてあげてください。きっと、驚くほどの軽さと温かさが戻ってきますよ。
パタゴニアのダウンはエマールで洗える?失敗しない洗濯術とふっくら仕上げるコツ、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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