「パタゴニアの服は持っているけれど、足元もパタゴニアで揃えたい」「昔履いていたあのスニーカーをもう一度手に入れたい」
そんな風に思って検索したあなた、実は今、パタゴニアのスニーカー事情は少し特殊なことになっています。公式サイトを覗いても、お馴染みのウェアはたくさんあるのに、なぜか街履き用のスニーカーが見当たらない……。
そんな疑問を解消すべく、今回はパタゴニアのスニーカーの現状から、伝説的な名作モデルの紹介、そして今から手に入れるための具体的な方法までを徹底的に掘り下げていきます。
パタゴニアのスニーカーが店頭から消えた理由
結論からお伝えすると、現在パタゴニアは一般的な「タウンユース向けスニーカー」の自社生産を終了しています。
かつては多くのアウトドアファンに愛されたシューズラインですが、2014年頃を境に、パタゴニアはフットウェアのラインナップを大幅に整理しました。その背景にあるのは、ブランドが掲げる「最高品質の製品を作る」という極めてストイックな哲学です。
スニーカー業界は、トレンドの移り変わりが激しく、大量生産・大量廃棄が起こりやすい分野でもあります。パタゴニアは、自社で中途半端な靴を作るよりも、環境負荷を抑え、本当に必要とされる専門的なギアにリソースを集中させる道を選んだのです。
現在、公式サイトの「フットウェア」カテゴリーで見つかるのは、主に川釣りに使うウェーディングブーツのみ。日常で履くようなキャンバスシューズやランニングシューズは、新作としての販売が止まっているのが現状です。
今なお中古市場で高値がつく「伝説の名作」たち
生産が終了しているからこそ、かつて販売されていたモデルには「ヴィンテージ」としての価値が生まれています。今でもオークションサイトやフリマアプリで、当時の定価に近い、あるいはそれ以上の価格で取引されている名作を振り返ってみましょう。
1. アクティビスト(Activist)
パタゴニアのスニーカーといえば、まずこのモデルを思い浮かべる人が多いはずです。驚くほど軽量で、アッパーには撥水加工を施したリップストップ・ナイロンを採用。最大の特徴は、かかとを潰してスリッポンのように履けるだけでなく、くるくると丸めてコンパクトに収納できるパッカブル仕様だったことです。
キャンプの履き替え用や旅行のサブシューズとして、これ以上ないほど便利な一足でした。もしパタゴニア アクティビストのような利便性を求めるなら、今でも中古市場で最も探されているモデルの一つです。
2. マウイ(Maui)
独特の丸みを帯びたフォルムが愛らしいスリッポンモデルです。リサイクル素材を積極的に使用し、素朴な風合いが魅力でした。見た目のリラックス感とは裏腹に、しっかりとしたクッション性があり、「一度履いたら病みつきになる」というファンが続出した名品です。
3. アドボケート(Advocate)
究極のミニマリズムを体現したのがこの「アドボケート」です。ソールが非常に薄く、足裏で地面を感じられるような感覚は、現在のベアフット(素足)シューズの先駆けとも言えます。飛行機の機内履きや、登山後に重いブーツを脱いだ後のリラックスシューズとして、多くのアウトドアマンに愛用されました。
4. エバーロング(EVERlong)
パタゴニアはかつて本格的なトレイルランニングシューズも展開していました。エバーロングは、その名の通り「長く走り続ける」ための軽量モデル。通気性が抜群で、過酷な山道を走るランナーたちの足を支えてきました。
専門性が進化した現在のフットウェア
自社でのスニーカー生産は終了しましたが、パタゴニアが「靴」そのものを諦めたわけではありません。現在は、より専門性の高い分野で、他ブランドと協力しながら最高の一足を作り続けています。
その代表例が、アメリカの老舗ブーツメーカーである「ダナー(Danner)」とのコラボレーションです。
現在販売されているウェーディングブーツは、ダナーの職人技術とパタゴニアの環境配慮が融合した逸品。特筆すべきは「修理が可能」であるという点です。履き潰して捨てるのではなく、ソールを張り替え、メンテナンスを繰り返すことで10年、20年と履き続けることができる。まさにパタゴニアの精神を象徴するフットウェアと言えるでしょう。
パタゴニアのスニーカーを今から手に入れる方法
「どうしてもパタゴニアのスニーカーが欲しい!」という場合、いくつかのルートが存在します。ただし、新品を公式サイトでポチることはできないため、少し工夫が必要です。
フリマアプリやオークションを活用する
メルカリやヤフオクなどの二次流通市場では、今でも過去のモデルが頻繁に出品されています。ここで注意したいのが「加水分解」です。
スニーカーのソールに使われるポリウレタンなどの素材は、保管状態によっては経年劣化でボロボロになってしまうことがあります。見た目が綺麗でも、一度履いたらソールが剥がれた……という失敗を防ぐため、以下のポイントをチェックしましょう。
- ソールの接合部分に浮きがないか
- 出品者が「最近まで履いていた」ものかどうか(長期間放置されたものは劣化が進んでいる可能性が高い)
- ソールの減り具合だけでなく、ゴムの弾力性が残っているか
Worn Wear(ウォーン・ウェア)をチェックする
パタゴニアは「Worn Wear」という、自社製品の中古品を回収・リペアして再販するプログラムを行っています。スニーカーが出る頻度は極めて低いですが、稀にメンテナンス済みの良質な一足が並ぶことがあります。環境を大切にするブランド公式のルートなので、最も信頼できる入手方法です。
パタゴニア好きに馴染む、代替ブランドという選択肢
パタゴニアのスニーカーが手に入らない今、その「思想」や「スタイル」を受け継ぐ他のブランドに目を向けてみるのも一つの手です。パタゴニアのウェアと相性が良く、環境への意識が高いブランドを紹介します。
Allbirds(オールバーズ)
サステナブルなスニーカーの代名詞といえば、ニュージーランド発の「オールバーズ」です。ウールやユーカリの繊維、サトウキビ由来のソールなど、天然素材を多用する姿勢はパタゴニアに通じるものがあります。シンプルでクリーンなデザインは、パタゴニアのパンツとも相性抜群です。
Vivobarefoot(ヴィヴォベアフット)
かつての「アドボケート」のような、薄いソールで足本来の力を取り戻すような靴を探しているなら、このブランドが最適です。環境負荷の低い素材を使い、足の健康を第一に考えた設計は、本物志向のアウトドアファンから支持されています。
Danner(ダナー)
前述の通り、現在パタゴニアと提携しているダナー。スニーカーではありませんが、ダナーのワークブーツやマウンテンブーツは、パタゴニアの質実剛健な世界観に完璧にマッチします。
賢く選ぶために知っておきたい、サイズ感と注意点
もし運良く中古でパタゴニアのスニーカーを見つけた際、サイズ選びには注意が必要です。
パタゴニアのシューズは、モデルによって「ややタイト」に作られている傾向があります。特にナイロン素材のモデルは、足の形がはっきりと出やすいため、普段履いているサイズよりもハーフサイズ(0.5cm)程度大きめを選ぶのが失敗しないコツです。
また、パタゴニアの靴は「素足で履く」ことを想定したリラックスモデルも多いため、厚手の靴下を合わせるのか、サンダル感覚で履くのかによっても最適なサイズが変わってきます。
長く愛用するためのメンテナンス術
せっかく手に入れた貴重なパタゴニアのスニーカー。少しでも長く履き続けるためには、日頃のケアが欠かせません。
- 湿気を避ける: 加水分解の最大の敵は水分です。雨の日に履いた後は、必ず風通しの良い日陰でしっかりと乾かしてください。
- 汚れを放置しない: キャンバスやナイロンの部分は、専用のクリーナーや中性洗剤を薄めたもので優しく拭き取ります。
- 直射日光を避ける: 紫外線は素材の色あせやゴムの劣化を早めます。保管は必ず屋内で行いましょう。
防水スプレー アウトドアを事前に吹きかけておくだけでも、汚れの付着を劇的に抑えることができます。
パタゴニアのスニーカーはどこで買える?現在は生産終了?人気モデルと入手方法を徹底解説!
さて、ここまでパタゴニアのスニーカーに関する現状を詳しく見てきました。
残念ながら、今すぐ新品のスニーカーを直営店で購入することはできません。しかし、それはパタゴニアが「より良い未来のために、製品の寿命と質を問い直した結果」でもあります。
過去の名作を二次流通で宝探しのように探す楽しみ、あるいはダナーとのコラボモデルに一生モノの価値を見出す楽しみ。形は変われど、パタゴニアのフットウェアが持つ「歩くことへのこだわり」は、今も私たちの足元に繋がっています。
あなたが最高の一足に出会い、その足で一歩、素晴らしいアウトドアの世界へ踏み出せることを願っています。

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