「お気に入りのノースフェイス、久しぶりに出したら裏地がボロボロになってる……」
「白い粉がインナーに付くし、なんだか酸っぱい臭いもする……」
そんな経験はありませんか?実はこれ、THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)のマウンテンパーカーやレインウェアを愛用している人の多くが直面する「加水分解」という現象なんです。
せっかく高価なジャケットを買ったのに、裏地が剥がれてきたからといって捨ててしまうのは本当にもったいない!実は、自宅にある「あるもの」を使えば、劣化した裏地を綺麗に剥がして、再び街着として現役復帰させることができるんです。
今回は、ノースフェイスの裏地がボロボロになる原因から、具体的な剥がし方の手順、そして剥がした後のメンテナンス術まで、実体験に基づいたリアルな情報をお届けします。
なぜノースフェイスの裏地はボロボロになるの?
そもそも、なぜノースフェイスの裏地はあんなに無残な姿になってしまうのでしょうか。犯人は、防水透湿性を確保するために生地の裏側に塗られている「ポリウレタン(PU)コーティング」です。
ポリウレタンは非常に優れた素材ですが、宿命ともいえる弱点があります。それが「加水分解」です。空気中の水分や湿気と反応して、時間が経つと化学的に分解されてしまうんですね。
一般的に、製造から3年から5年ほどで寿命がくると言われています。「クローゼットに大切にしまっておいたのに!」という方ほど要注意。実は風通しの悪い場所は湿気が溜まりやすく、加水分解を加速させてしまう「魔の空間」なんです。
最初は少しベタつくだけですが、進行するとコーティングがひび割れ、フケのような白い粉になって剥がれ落ちます。こうなると、インナーの黒いTシャツが真っ白になり、恥ずかしくて着られたものではありません。
用意するもの:裏地剥がしに必須の三種の神器
「もう防水機能は諦めるから、とにかく綺麗にして着たい!」という決意が固まったら、作業を開始しましょう。プロに頼まなくても、以下のアイテムがあれば自分で行えます。
- 重曹(じゅうそう):100円ショップのもので十分です。ポリウレタンのベタつきを中和してくれます。
- ぬるま湯(40〜50度):お風呂の温度より少し熱いくらいがベスト。
- ブラシ(洗車用や歯ブラシ):浮いた裏地をこすり落とすために使います。
- 洗濯用洗剤:仕上げの洗浄に使用します。
実践!重曹を使った裏地剥がしの手順
では、具体的な手順を見ていきましょう。この作業のポイントは「焦らず、ふやかすこと」です。
1. ぬるま湯に重曹を溶かす
浴槽や大きめのバケツに、ジャケットが完全に浸かる量のぬるま湯を溜めます。そこに重曹を投入します。目安は10リットルのお湯に対して大さじ3〜5杯程度。多めに入れても生地を傷めることはほとんどないので、贅沢に使いましょう。
2. じっくり浸け置きする
ジャケットを投入し、しっかりお湯に沈めます。空気が入って浮いてくる場合は、重し(お湯を入れたペットボトルなど)を乗せてください。そのまま数時間から、ひどい場合は一晩放置します。この間に重曹がポリウレタンの結合を弱め、剥がれやすい状態にしてくれます。
3. ブラシで優しくこすり落とす
時間が経つと、裏地が白くふやけて浮いてきます。ここからが腕の見せどころ。ブラシを使って、優しく円を描くようにこすっていきます。面白いようにポロポロと剥がれていくはずです。
ただし、力任せにやるのはNG。基布(土台のナイロン生地)まで傷めてしまうと、穴が開いたり毛羽立ったりしてしまいます。あくまで「浮いたものを退ける」感覚で行いましょう。
4. 念入りにすすぎと洗濯
裏地のカスをしっかり流したら、エマールなどのオシャレ着用洗剤で普通に洗濯機で洗います。これで、残った細かい粉や重曹の成分を完全に除去します。
裏地を剥がす際の注意点とリスク
ここで一つ、大切なお話をしなければなりません。裏地を剥がすということは、**「防水機能を完全に捨てる」**ということと同じです。
ノースフェイスの「ゴアテックス」や「ハイベント」といった素材は、あのコーティングがあるからこそ雨を弾き、蒸れを逃がします。裏地を剥がしてしまえば、それは単なる「ナイロンのウィンドブレーカー」になります。
また、縫い目の裏に貼ってある「シームテープ」も、この作業で一緒に剥がれてしまうことがほとんどです。大雨の中で着る本格的な登山用としては使えなくなりますので、あくまで「街着のライトアウター」として復活させるための手段だと考えてください。
剥がした後が肝心!復活のメンテナンス術
綺麗に裏地が剥がれたら、そのままでは少し心もとないですよね。復活させたノースフェイスをより快適に着るための仕上げを紹介します。
撥水スプレーで表面をガード
内側の防水機能はなくなりましたが、外側の「撥水(水を弾く力)」は復活させられます。乾燥したジャケットにLOCTITE(ロックタイト) 超強力防水スプレーなどをたっぷりと吹きかけましょう。これにより、多少の雨なら表面で玉のように弾いてくれます。
ベタつきが残る場合はベビーパウダー
もし、洗濯後もなんとなくペタペタする感じがある場合は、ベビーパウダーを薄く裏地に叩き込んでみてください。驚くほどサラサラになり、肌当たりが良くなります。
剥がれたシームテープの処理
ベロンと剥がれかけたシームテープは、見た目も悪いですし、首元に当たると不快です。いっそのこと全て剥がしてしまうか、どうしても気になる箇所はキャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) シームレステープを使ってアイロンで貼り直すことも可能です。
ノースフェイスを長持ちさせるための保管方法
せっかく綺麗に直したのですから、今度は加水分解をさせないように気をつけたいですよね。新しいモデルを買った際にも役立つ、保管のコツをまとめました。
- 「洗わない」は間違い:汚れや皮脂、汗は加水分解の最大の餌になります。「シーズンに一度も洗わない」のが一番良くありません。専用の洗剤を使って、定期的に汚れを落としましょう。
- 乾燥を徹底する:雨に濡れた後はもちろん、洗濯後もしっかりと陰干しで乾燥させてください。生乾きのままクローゼットに入れるのは厳禁です。
- 通気性の確保:クリーニングから戻ってきた時のビニール袋はすぐに外しましょう。ハンガーの間隔を空け、湿気がこもらないようにします。
ノースフェイス 裏地 剥がし 方をマスターして愛着のある一着を救おう
ノースフェイスのジャケットは、たとえ防水機能が落ちたとしても、そのデザイン性や防風性は一級品です。
裏地がボロボロになって「もうダメだ」と諦めていた方も、今回ご紹介したノースフェイス 裏地 剥がし 方を実践すれば、見違えるほど綺麗に復活させることができます。手間はかかりますが、自分の手でメンテナンスした服には、新品の時以上の愛着が湧くものです。
白い粉が舞うストレスから解放され、サラサラになったジャケットを羽織って、また街へ出かけましょう。あなたのクローゼットで眠っている「お宝」が、再び輝きを取り戻すきっかけになれば幸いです。

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