「街を歩けば右も左もノースフェイス……」
そんな光景に、ふと足を止めてしまったことはありませんか?冬の駅のホームを見渡せば、黒いダウンジャケットの集団。まるで制服かのように普及したその光景を見て、「ノースフェイスは着てる人多すぎでもうダサいんじゃないか?」と感じてしまうのは、実はあなただけではありません。
おしゃれが好きだからこそ、「人と同じ」であることに抵抗を感じるのは自然な反応です。しかし、結論から言えば、ノースフェイスというブランド自体がダサくなったわけではありません。むしろ、あまりに優秀すぎて「国民服」になってしまったがゆえの現象なのです。
今回は、なぜノースフェイスがここまで増えたのかという謎を紐解きながら、周りと被らずに「お、あいつ分かってるな」と思わせる一歩先の選び方と着こなしのコツを徹底解説します。
なぜ街中にノースフェイスが溢れかえっているのか
まず、なぜここまで「着てる人多すぎ」という状態になったのか。その理由は、単なる流行を超えた「圧倒的な信頼感」にあります。
かつては本格的な登山家向けのブランドだったノースフェイスですが、日本国内ではゴールドウイン社による洗練されたブランディングによって、ファッションと機能性の融合に成功しました。特にヌプシジャケットやバルトロライトジャケットといった名作は、氷点下でも耐えられる保温性を持ちながら、ストリートファッションのアイコンとしても君臨しています。
さらに、リセールバリュー(再販価値)の高さも普及に拍車をかけました。「数年着ても高く売れる」という資産価値が、高価な買い物に対する心理的ハードルを下げ、結果として大学生からビジネスマン、ファミリー層までがこぞって手にするようになったのです。
しかし、普及しすぎた結果、ファッション感度の高い層からは「無難すぎる」「思考停止の選択」とネガティブに捉えられる場面が増えてしまった。これが現在の「ノースフェイス多すぎ問題」の本質です。
「量産型」に見えてしまう人の共通点
同じノースフェイスを着ていても、「おしゃれに見える人」と「ただの量産型に見える人」には決定的な違いがあります。ダサいと感じさせてしまう要因は、主に以下の3点に集約されます。
- 全身「黒」のロゴドン・スタイル最も選ばれているのが「黒のボディに白いロゴ」のモデルです。これが複数人集まると、どうしても制服のような印象を与えてしまいます。ブランドの力に頼りすぎているように見えてしまうのが原因です。
- 場所と機能のミスマッチ暖房の効いた都心の電車内で、ヒマラヤ登山も可能なレベルの極厚ダウンを前全開で着ている姿は、どこかアンバランスです。「オーバースペック」が悪いわけではありませんが、環境に適応していない着こなしは「服に着られている」印象を与えがちです。
- サイズ選びの失敗アウトドアブランド特有のゆとりある設計を、そのまま中途半端なサイズで着てしまうと、ただの「着膨れした人」になってしまいます。特にマウンテンライトジャケットなどは、サイズ感一つで都会的にも野暮ったくもなります。
被りをスマートに回避する「ずらし」の選び方
周りと差をつけたいなら、みんなが選ぶ「ド定番」から少しだけ視点をずらしてみましょう。それだけで、ノースフェイスの機能性を享受しつつ、自分らしさを表現できます。
- ロゴの色をボディと同色にするあえて白い刺繍ロゴではなく、ブラックのボディにブラックの刺繍を施したモデルを選んでみてください。一見どこのブランドか分からない、でも実はノースフェイス。この「ステルス・ロゴ」こそが、大人の余裕を感じさせる選択です。
- 「パープルレーベル」を選択肢に入れる代官山のセレクトショップ「nanamica」がプロデュースするノースフェイス パープルレーベルは、アウトドアの機能はそのままに、より街着としてのシルエットや素材感(ウール混や65/35クロスなど)を追求しています。通常のラインよりもロゴが控えめで、洗練された印象を与えられます。
- カラーリングで冒険する「とりあえず黒」を卒業し、ニュートープ(カーキ系)やケルプタン(ベージュ系)などのアースカラー、あるいはその年限定のシーズンカラーに注目しましょう。たとえモデルが被っても、色を変えるだけで視覚的な印象は大きく変わります。
- 別注モデルや海外ラインを狙う有名セレクトショップの別注モデルや、韓国限定の「ホワイトレーベル」などは、国内の通常ラインにはない独自のディテールがあります。ネット通販を活用してこうしたアイテムを手に入れるのも、差別化の有効な手段です。
脱・野暮ったい!街馴染みを良くする着こなし術
アイテム選びができたら、次はコーディネートです。山登りに行くような「ガチ」な雰囲気を出さず、都会的に見せるためのテクニックを紹介します。
- きれいめなボトムスを合わせるトップスがナイロン素材のスポーティーなものなら、下はグラミチ スラックスのような、センタープレスの入ったパンツや上品なチノパンを合わせましょう。上下をアウトドアで固めない「ミックス感」が、街着としての完成度を高めます。
- 首元のレイヤードにこだわるジャケットのインナーにシャツを合わせたり、ハイゲージのタートルネックニットを仕込んだりすることで、スポーツウェア感を払拭できます。首元から少しだけ異なる素材が見えるだけで、全体の印象は驚くほど引き締まります。
- 小物をミニマルにするバッグや靴までノースフェイスで揃えると、どうしても「ブランドの広告塔」のようになってしまいます。あえてレザーのミニショルダーや、シンプルなニューバランス スニーカーを合わせることで、ブランドの主張を適度に中和させることができます。
ノースフェイスはもはや「文化」である
「着てる人が多い」ということは、それだけ多くの人がその価値を認めている証拠でもあります。雨を弾き、風を防ぎ、冬の寒さから身を守ってくれる。これほど実用的で心強い服は他にありません。
大切なのは、「流行っているから」という理由だけで選ぶのではなく、その機能や背景を理解した上で、自分なりにアレンジして楽しむ姿勢です。たとえ同じドットショットジャケットを着ていても、自分なりのサイズ感や色の組み合わせがあれば、それは決して「ダサい量産型」には見えません。
むしろ、これほど普及しているからこそ、着こなしのセンスが試される「面白いブランド」だと言えるのではないでしょうか。
まとめ:ノースフェイスは着てる人多すぎでダサい?被りを回避して差がつく選び方と着こなし術
結局のところ、ノースフェイスが「ダサい」と言われるのは、ブランドそのものの責任ではなく、着こなしがパターン化してしまっていることに原因があります。
「ノースフェイスは着てる人多すぎ」と感じる今の状況を逆手に取りましょう。定番の良さを認めつつ、カラー選びや別注モデル、そしてきれいめなアイテムとのミックスによって、自分だけのスタイルを構築してみてください。
流行に流されるのではなく、最強の機能服を自分の道具として使いこなす。その時、あなたのノースフェイスは、単なる「被りアイテム」から、誰とも似ていない「唯一無二の相棒」へと変わるはずです。
次に新しい一着を手にする時は、ぜひ「自分ならどう着崩すか」を想像しながら、ショップの扉を叩いてみてください。その先には、量産型とは無縁の、新しいファッションの楽しみが待っています。

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