登山やハイキング、そしてタウンユース。あらゆるシーンで圧倒的な支持を集めているノースフェイスのバックパックですが、その中でも「名作」の呼び声高いのがテルス25です。
しかし、いざ購入しようと調べると「現行モデル」と「旧モデル」という言葉に突き当たります。「どっちを買うのが正解なの?」「古い方は安くなっているけれど、性能に妥協することになる?」そんな悩みを持つ方も多いはずです。
実は、あえて「旧モデル」を指名買いするファンも少なくありません。そこには最新型にはない、かつての仕様ならではの「使い勝手の良さ」が隠されているからです。
今回は、ノースフェイスのテルス25の旧モデルにフォーカスし、現行モデルとの徹底比較から、今だからこそ選びたい理由までを深掘りします。
そもそもノースフェイスのテルス25旧モデルとはどの型を指すのか
ノースフェイスのテルス25は、ブランドを代表するロングセラーモデルです。そのため、数年おきにアップデートが行われていますが、一般的に「旧モデル」として語られることが多いのは、2022年の大幅リニューアル以前のモデル、主に型番「NM61811」などを指します。
この旧モデルは、本格的な登山用ザックとしての堅牢さと、日常生活でも違和感のないデザインのバランスが非常に優れていました。
現在、公式ショップで並んでいる最新モデル(NM62369など)は、環境に配慮したリサイクル素材への変更や軽量化が進んでいます。一方で、旧モデルには「当時のこだわり」が詰まっており、それが今のユーザーにとっても大きな魅力となっているのです。
現行モデルと旧モデルの決定的な違いはどこにある?
新旧のテルス25を比較したとき、最も顕著な違いは「ヒップベルト(腰ベルト)の構造」と「自重(重さ)」の2点に集約されます。
まず、多くのユーザーが旧モデルを好む最大の理由が、腰回りの作りです。旧モデルのヒップベルトは、25リットルという小型サイズながら、大型ザックのようにしっかりと厚みのあるパッドが採用されていました。さらに、左右のベルトにファスナー付きのポケットが装備されていたのが最大の特徴です。
現行モデルでは、このヒップベルトが取り外し可能なシンプルなテープ状に変更されました。これにより「街中でベルトがぶら下がるのが邪魔」という不満は解消されましたが、一方で「登山の時の安定感」や「行動食・スマホを腰に収納できる便利さ」は失われてしまったのです。
次に重さの違いです。旧モデルは約1,030gと、1kgを少し超える重量感がありました。それに対して現行モデルは約910g前後まで軽量化されています。数字で見ればわずか100g強の差ですが、手に取った時の「軽快さ」は新型が勝り、「剛性感・安心感」は旧モデルが勝るといった印象の違いを生んでいます。
なぜ今さらノースフェイスのテルス25旧モデルが選ばれるのか
新しいものが必ずしも自分にとっての正解とは限らないのが、アウトドアギアの面白いところです。旧モデルが今でも高く評価され、中古市場や在庫品で探されているのには明確な理由があります。
- スマホや小物を即座に扱える利便性登山中に地図を確認したり、写真を撮ったりするためにスマートフォンを出し入れする際、旧モデルのヒップベルトポケットは最高の配置でした。現行モデルではサコッシュを併用するか、ザックを一度降ろす必要があります。この「手間」を嫌うベテランほど、旧型を愛用し続けます。
- 長時間の歩行でも疲れにくいフィット感しっかりとした腰のパッドは、荷重を肩だけでなく腰へ効率的に分散してくれます。荷物が重くなりがちなソロハイキングや、一眼レフカメラを持ち歩くようなスタイルでは、このパッドの厚みが疲労軽減に直結します。
- 生地の厚みと耐久性の信頼感旧モデルは330D(デニール)という比較的厚手のナイロンをメインに使用しており、岩場や枝に擦れてもびくともしないタフさがあります。近年のトレンドである軽量化(薄手化)よりも、タフに使い倒したいというニーズに合致しているのです。
旧モデルを購入する際に絶対に注意すべきポイント
「旧モデルの方が自分に合っている!」と感じたとしても、購入前に確認しておくべき注意点がいくつかあります。これを知らずに手に入れると、後悔することになりかねません。
最も注意したいのが「経年劣化」です。バックパックの内部には、防水性を高めるためのポリウレタンコーティングが施されています。このコーティングは、製造から時間が経過すると水分と反応して「加水分解」という現象を起こし、ベタつきや独特の臭いが発生することがあります。
旧モデルを中古で購入する場合は、内部の状態が良好かどうか、剥がれやベタつきがないかを必ずチェックしましょう。
また、現行モデルはリサイクルナイロンを使用するなど環境負荷を減らしていますが、旧モデルはそうした配慮がまだ過渡期だった時代の製品です。最新のサステナブルな基準を重視したい場合は、現行モデルに軍配が上がります。
あなたはどっち?新旧モデルの選び方ガイド
結局のところ、自分にはどちらが向いているのでしょうか。プレイスタイルに合わせて考えてみましょう。
「旧モデル」を選んだ方が幸せになれる人
- 登山がメインで、歩きながらスマホや行動食を頻繁に出し入れしたい。
- 25リットルでも、腰でしっかり支える安定感を重視したい。
- 少し重くても、生地のタフさや剛性感に安心を感じる。
- 中古でも良いので、コストパフォーマンス良く名作を手に入れたい。
「現行モデル」を選んだ方が幸せになれる人
- 平日の通勤や通学、ジム通いなど、タウンユースでの利用が半分以上。
- とにかく1gでも軽くして、身体への負担を減らしたい(ULスタイル寄り)。
- 最新の素材や、環境に優しい製品を使っているという満足感が欲しい。
- 加水分解などの劣化の心配をせず、長く新品から使い始めたい。
ノースフェイスのテルス25旧モデルを長く愛用するためのメンテナンス術
もし幸運にも状態の良い旧モデルを手に入れたなら、少しでも長く使いたいですよね。アウトドアで酷使されるバックパックは、手入れ次第で寿命が大きく変わります。
まず、雨や汗で濡れた後は、必ず風通しの良い日陰で完全に乾かしてください。湿気は加水分解の最大の敵です。また、泥汚れが付着したまま放置すると、生地の繊維を傷める原因になります。硬く絞った布で拭き取るか、汚れがひどい場合は中性洗剤を薄めて優しく手洗いするのが基本です。
洗濯機や乾燥機の使用は厳禁です。背面パネルの形状が崩れたり、コーティングが一気に剥がれたりする恐れがあります。保管する際も、クローゼットに詰め込まず、湿気がこもらない場所に吊るしておくのが理想的です。
まとめ:ノースフェイスのテルス25旧モデルは買い?新旧の違いや愛される理由
ここまで見てきた通り、ノースフェイスのテルス25の旧モデルは、単なる「古い製品」ではありません。現行モデルが「軽量・多機能・汎用性」へと進化を遂げた一方で、旧モデルには「質実剛健な登山の道具」としての完成された魅力が詰まっています。
特に、厚手のパッド入りヒップベルトと便利なポケットは、一度その恩恵に預かると離れられない利便性があります。日帰り登山の相棒として、手元で完結する機能性を求めるなら、今あえて旧モデルを探す価値は十分にあると言えるでしょう。
もちろん、軽快さやクリーンな外観を求めるなら現行モデルが最良の選択肢になりますが、自分の山歩きのスタイルがどちらに近いかを見極めることが、後悔しない買い物への近道です。
ノースフェイスの名作テルス25。新旧どちらを選んでも、あなたの外遊びをより豊かに、より快適にしてくれることは間違いありません。ぜひ、自分だけの一足ならぬ「一袋」を見つけて、次のフィールドへ出かけてみてください。

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