「このノースフェイス、一体いつ頃のモデルなんだろう?」
古着屋で一目惚れしたジャケットや、クローゼットの奥から出てきた懐かしい一着。そんな時、正解を教えてくれるのが「タグ」です。ノースフェイスのロゴの形や色、そして内側に隠された品質表示タグには、そのアイテムが歩んできた歴史が刻まれています。
今回は、ノースフェイスの年代判別をテーマに、初心者の方でも判別できるポイントをまとめました。希少なヴィンテージ品から、最新の現行モデルまで、タグに隠された秘密を一緒に紐解いていきましょう。
1. ノースフェイスの歴史を物語る「首タグ」の変遷
まずは、最も目に付きやすい襟元のタグ(メインラベル)から見ていきましょう。ここを見るだけで、おおよその年代を特定することが可能です。
1970年代〜1980年代:伝説の「茶タグ」
ヴィンテージ好きの間で最も有名なのが、通称「茶タグ」です。白地のタグに茶色の糸でロゴが刺繍されているのが特徴です。
この時期のノースフェイスは、まだアメリカ国内での生産が主流でした。タグの下に「MADE IN U.S.A.」と誇らしげに記されているものは、当時のクラフトマンシップが詰まった逸品。さらに細かく分けると、1970年代の初期のものはロゴの横に「®(レジスターマーク)」がないものもあり、これは「無刻印茶タグ」と呼ばれ非常に高い価値がつきます。
1980年代後半〜1990年代前半:スタイリッシュな「銀タグ」
80年代後半になると、タグの色がグレーがかったシルバーに変更されます。これが通称「銀タグ」です。
この頃からTHE NORTH FACE マウンテンライトジャケットのような、今でも語り継がれる名作が次々と誕生しました。生産国がアメリカからアジア諸国(韓国や中国など)へ移行し始める過渡期でもあり、アメリカ製の銀タグは「最後のアメリカ製」として古着市場で根強い人気を誇っています。
1990年代後半〜現在:お馴染みの「黒タグ」
現在も続く、黒地に白や赤の刺繍が入ったスタイルです。一見どれも同じように見えますが、90年代のものはロゴが現在のものよりも少し大きく、タグの形が正方形に近いものが多いのが特徴。
特にヌプシジャケットなどのダウンアイテムは、90年代のボリューム感あるシルエットが再注目されており、この時期の黒タグを探しているファンも少なくありません。
2. ゴールドウイン製と海外規格を見分ける方法
日本でノースフェイスを語る上で欠かせないのが、日本代理店である「ゴールドウイン(GOLDWIN)」の存在です。
日本規格(ゴールドウイン)の証
日本国内の正規店で販売されているモデルの多くは、内側の品質表示タグに「株式会社ゴールドウイン」と記載されています。これがいわゆる「日本規格」です。
日本人の体型に合わせたサイジングや、日本の気候に適した素材選びがなされているため、中古市場でも「ゴールドウイン製」は安定した信頼感があります。例えばバルトロライトジャケットのような日本限定モデルは、タグを見れば一発で判別可能です。
海外規格(USA・韓国など)
一方で、海外から並行輸入されたアイテムにはゴールドウインの表記はありません。アメリカ規格(USAモデル)は、日本規格よりもサイズ感が一回り大きく、よりゆったりとしたシルエットが楽しめます。
また、韓国限定の「ホワイトレーベル(WHITE LABEL)」など、独自のタグが存在するラインもあり、これらはタグのデザイン自体が通常のものと異なるため、希少性を楽しむコレクターも多いです。
3. 品番(Style Number)から製造年を特定する裏技
タグのデザインだけでなく、もっと正確に「何年に作られたか」を知る方法があります。それが、内タグに記載された「品番」のチェックです。
数字とアルファベットの組み合わせ
多くのモデルには、内側の小さな白いタグに「ND91930」や「NP11834」といった英数字が記載されています。
- 最初のアルファベット:N(North Face)、D(Down)、P(Pants/Parka)などを表すことが多い。
- 数字の最初の2桁:多くの場合、そのモデルが発売開始された年代を示唆しています(例:「19」であれば2019年前後など)。
ただし、これはあくまで目安です。正確な製造時期を知りたい場合は、この品番をGoogleや公式サイトで検索することで、当時のプレスリリースやカタログ情報に辿り着くことができます。
製造月・年コードの読み方
2000年代以降のモデルの中には、品番とは別に「F18」や「S19」といった3桁のコードが印字されていることがあります。
- F(Fall):秋・冬モデル
- S(Spring):春・夏モデル
- 数字:西暦の下2桁(18なら2018年)
これを知っているだけで、そのアイテムがどのシーズンのものか一目でわかります。
4. 偽物と本物を見分けるためのタグチェック術
人気ブランドの宿命として、残念ながらコピー品(偽物)も多く出回っています。タグは真贋判定の最重要ポイントです。
ロゴの刺繍を「繋ぎ目」で見極める
本物のノースフェイスのロゴは、非常に精密な刺繍機で打たれています。注目すべきは、ロゴの3本のライン(ハーフドーム)の間です。
本物はそれぞれのラインが独立しており、糸が繋がっていません。一方で、安価な偽物は1本の糸で一気に刺繍するため、ラインの間に「渡り糸」と呼ばれる細い糸が残っていることがよくあります。
ホログラムタグの存在
2010年頃から、ノースフェイスは偽造防止のために「ホログラムタグ」を導入しました。内タグのどこかに、キラキラと光る小さなシールや織り込みが付いていれば、それは比較的新しい本物の証拠です。
マウンテンジャケットのような高額なモデルを購入する際は、このホログラムの有無と、光を当てた時のロゴの浮き上がり方を必ずチェックしましょう。
ケアタグの日本語を確認
ゴールドウイン製のタグを模倣した偽物の場合、日本語のフォントが不自然だったり、「ポリエステル」が「ポリエヌテル」になっていたりと、ケアラベルの文字にミスがあることが多いです。一字一句注意深く読むことが、偽物を避ける近道になります。
5. 年代ごとのディテールの違いを楽しむ
タグ以外にも、年代を判別する要素はたくさんあります。タグと合わせてチェックすることで、より深くノースフェイスの世界を堪能できます。
ファスナーの変遷
ヴィンテージの茶タグ時代は「TALON(タロン)」や「CROWN(クラウン)」といった、当時のアメリカを代表するファスナーが使われていました。
90年代以降は、世界標準である「YKK」製がメインとなります。ファスナーのスライダー(引き手)部分にノースフェイスのロゴが入るようになったのも、比較的新しい年代の特徴です。
スナップボタンの刻印
古いモデルのスナップボタンは、何も刻印がない「プレーン」なものが一般的でした。しかし、年代が進むにつれてボタンに「THE NORTH FACE」の刻印が入るようになります。こういった小さなパーツ一つひとつに、ブランドのこだわりが反映されています。
ノース フェイス タグ 年代を判別して最高の1着を見つけよう
ノースフェイスのアイテムは、たとえ数十年前のものであっても、メンテナンス次第で現役として使い続けられる高いクオリティを持っています。むしろ、ヴィンテージにしかない独特の風合いやカラーリングは、現行品にはない唯一無二の魅力です。
今回ご紹介した「茶タグ」や「銀タグ」、そして内側の製造コードを確認する方法を知っていれば、古着選びの楽しさは何倍にも膨らみます。
- 襟元のタグの色とデザインをチェックする
- 「MADE IN U.S.A.」の有無を確認する
- 内タグのゴールドウイン表記や品番を見る
- ホログラムや刺繍の質で本物かどうかを見極める
これらを意識して、あなただけの特別な一着を見つけてください。
THE NORTH FACE ダウンジャケットを手に入れる際も、その背景にある年代を知ることで、愛着はさらに深まるはずです。歴史を知り、機能を知る。そんなノースフェイスとの付き合い方を、ぜひ今日から始めてみてくださいね。

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