「ノースフェイス」と「コム・デ・ギャルソン」。この2つの名前が並ぶだけで、ファッション好きの胸は高鳴りますよね。片や世界最強のアウトドアブランド、片や日本が世界に誇る前衛的モードブランド。
一見すると正反対の位置にいる両者ですが、そのコラボレーションは毎回、発売と同時に即完売を記録するほどの熱狂を生んでいます。しかし、いざ手に入れようと思うと「どのラインを選べばいいの?」「サイズ感は?」「偽物が怖くて手が出せない」といった悩みも尽きません。
今回は、THE NORTH FACEとギャルソンの歴代コラボの魅力を紐解きながら、購入前に絶対に知っておきたい情報を網羅して解説していきます。
ノースフェイスとギャルソンのコラボには複数の種類がある
まず最初に理解しておきたいのが、このコラボレーションは「1種類ではない」ということです。コム・デ・ギャルソンには多くのラインが存在し、それぞれが独自の解釈でTHE NORTH FACEを料理しています。
ここを混同してしまうと、イメージしていたものと違うアイテムを手に取ってしまうことになりかねません。主要な4つのラインを整理してみましょう。
ジュンヤ ワタナベ マン(JUNYA WATANABE MAN)
最も歴史が長く、かつ芸術的なのが、デザイナー渡辺淳弥氏が手がけるこのラインです。ノースフェイスの既製品を一度バラバラに解体し、全く別の服として繋ぎ合わせる「再構築」という手法が特徴。
例えば、バックパックのパーツをそのままジャケットの背中に移植したモデルや、ダッフルバッグの素材を袖に使ったコートなど、実用性とアートが同居したようなアイテムが並びます。マニアの間で「名作」と呼ばれるのは、大抵このジュンヤワタナベとのコラボです。
eYe JUNYA WATANABE MAN
ジュンヤワタナベのセカンドラインである「eYe」は、より日常に馴染むデザインがメインです。ロゴの配置や素材を少しだけ変えるなど、さりげないこだわりが光ります。「あまり派手すぎるのは苦手だけど、人と違うノースフェイスが着たい」という方にぴったりなラインです。
PLAY TOGETHER(PLAY COMME des GARÇONS)
ハートのロゴでおなじみの「PLAY」ラインとのコラボは、Tシャツやパーカーといったカジュアルなアイテムが中心です。Tシャツの胸元に、ノースフェイスのロゴとプレイのハートが仲良く並ぶ姿は、どこか可愛らしさも感じさせます。比較的手が届きやすい価格帯もあり、幅広い層に支持されています。
CDG
近年登場した「CDG」ラインとのコラボは、ストリート色が強めです。ヌプシジャケットやデナリジャケットといった定番モデルに、大胆な「CDG」のロゴプリントを施したデザインが特徴。一目でコラボと分かるインパクトがあり、若年層を中心に絶大な人気を誇っています。
失敗しないためのサイズ感と選び方のコツ
さて、次に気になるのがサイズ感ですよね。高価な買い物ですから、サイズ選びで失敗したくないのは当然です。
実は、ノースフェイスとギャルソンのコラボは、ベースとなる「ボディ(服の型)」が何かによってサイズ感が劇的に変わります。
ジュンヤ系は「型紙」が特殊
ジュンヤワタナベとのコラボアイテムは、ノースフェイスの既製品をそのまま使っているのではなく、ギャルソン側が引いた独自の型紙で作られていることが多いです。そのため、通常のマウンテンパーカーよりも腕周りが細かったり、着丈が短かったりと、かなりモードなシルエットになりがち。
基本的には日本サイズ(JAPAN SIZE)に近い設定ですが、デザイン重視のため、普段のノースフェイスよりも「1サイズ上」を選んでちょうど良かったという声も多く聞かれます。
PLAYやCDGは「標準的」
一方で、PLAYやCDGラインのアイテムは、ノースフェイスが普段使用しているボディをベースにしていることが多いため、私たちがよく知る「日本のノースフェイス」と同じ感覚で選んで問題ありません。
ただし、コラボによっては海外の「USAモデル」をベースにしていることが稀にあります。その場合は日本のサイズ感よりも1〜2サイズ大きくなるため、購入前に「国内規格か海外規格か」を必ずチェックしてください。
迷ったら実寸をチェック
ネットショップやフリマアプリで購入する場合は、タグのサイズ表記だけでなく、必ず「肩幅・身幅・着丈」の実寸を確認しましょう。特にお気に入りのスウェットなどと比較してみるのが、最も確実な方法です。
偽物やコピー品を見分けるための重要ポイント
ノースフェイスとギャルソンのコラボは非常に人気が高いため、残念ながら精巧な偽物が市場に出回っています。せっかくの投資が無駄にならないよう、自分の身を守る知識を身につけましょう。
刺繍のクオリティを凝視する
最も分かりやすいのが、ジャケットなどの胸元にあるロゴ刺繍です。
本物は、文字の一つ一つが独立しており、非常に密度が高く立体的に縫われています。対して偽物は、文字と文字の間に「渡り糸」と呼ばれる細い糸が繋がったままになっていたり、刺繍の形が崩れていたりすることが多いです。特に「R」や「E」の隙間が糸で埋まっているものは、十中八九偽物と言っていいでしょう。
ホログラムシールの有無
2013年以降のノースフェイス製品には、内側のタグに「ホログラムシール」が付いています。光の当たる角度によって地球儀の柄が浮き出る特殊なシールです。偽物はここがただの銀色のシールだったり、虹色の輝きが不自然だったりします。また、シール自体が真っ直ぐ貼られていない場合も要注意です。
ギャルソン特有の「縫製責任者印」
コム・デ・ギャルソンが製造を主導しているアイテム(主にジュンヤワタナベ系)の場合、内側の白いタグに「縫製責任者」という文字と共に、担当者の苗字がスタンプされていることがあります。これはギャルソンというブランドの品質への自信の表れですが、偽物にはこのスタンプがない、あるいは印字が不自然に「綺麗すぎる(印刷されている)」ことがあります。
タグの日本語表記
偽物の多くは海外で作られるため、日本語のタグに違和感が出やすいです。「ポリエステル」が「ポリエヌテル」になっていたり、フォントがいわゆる「中華フォント」のように角ばっていたり。少しでも「あれ、この漢字変じゃない?」と感じたら、踏みとどまる勇気を持ってください。
おすすめの着こなし方とメンテナンスの注意点
手に入れたノースフェイス×ギャルソンのアイテムを、長く、かっこよく着こなすためのヒントをお伝えします。
コーディネートの鉄則
このコラボアイテムは、それ自体が非常に強い主役級のオーラを放っています。そのため、合わせるアイテムは「引き算」で考えるのが正解です。
例えば、派手な切り替えのダウンジャケットを着るなら、ボトムスはシンプルな黒のスラックスやデニムを合わせる。インナーも無地のものを選び、アウターの個性を際立たせるのが、大人っぽく見せるコツです。
メンテナンスはプロに任せる
アウトドアブランドのノースフェイスだからといって、ギャルソンコラボの服を家庭の洗濯機でガシガシ洗うのはおすすめしません。
なぜなら、ジュンヤワタナベなどのモデルは、GORE-TEXとウール、あるいは合成皮革といった「性質の異なる素材」を複雑に組み合わせているからです。家庭で洗うと、素材ごとに伸縮率が異なるため、服が歪んでしまうリスクがあります。
汚れが気になったら、機能性素材に詳しい高級クリーニング店に相談しましょう。防水スプレーを使用する場合も、まずは目立たない場所で試してからにしてください。
信頼できる場所で購入することの重要性
最後に、どこで買うべきかについて。
新作であれば、ドーバーストリートマーケット(DSMG)やギャルソンの直営店、一部のセレクトショップが正規の販路となります。
しかし、過去の名作を探すなら二次流通(古着)市場を頼ることになります。その際は、必ず「真贋鑑定」をしっかり行っている大手ブランド古着専門店を選んでください。あまりにも安すぎる価格設定の個人出品や、怪しげな海外サイトには手を出さないのが賢明です。
THE NORTH FACEの機能性と、ギャルソンの独創性。
この2つが融合した服は、単なるトレンドを超えて、あなたのワードローブの中で10年後も輝き続ける「一生モノ」の相棒になってくれるはずです。
ノースフェイス ギャルソンの全貌|歴代コラボの種類やサイズ感、偽物の見分け方
ここまで、ノースフェイスとギャルソンのコラボレーションについて、その種類からサイズ選び、そして偽物対策までを詳しく見てきました。
このコラボの最大の魅力は、やはり「守りに入らない姿勢」にあります。定番の安心感に、モードのスパイスが加わることで生まれる高揚感は、他のブランドでは決して味わえません。
決して安い買い物ではありませんが、その価値は袖を通した瞬間にきっと実感できるはずです。あなたが最高の一着に出会い、街歩きやアウトドアの時間をより特別なものにできるよう、この記事がお役に立てば幸いです。
まずは、自分のスタイルに合うのが「ジュンヤワタナベ」の再構築モデルなのか、それとも「PLAY」や「CDG」のロゴアイテムなのかをイメージすることから始めてみてください。納得のいく一着が見つかることを願っています。

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