「機能性を追求するアウトドアの王者」と「革の風合いを愛でるクラフトマンシップの旗手」。一見すると対極にいるような両者が手を取り合ったとき、ファッション界に激震が走りました。それが、ザ・ノース・フェイスとエンダースキーマによる伝説的なコラボレーションです。
2020年の始動から完結に至るまで、常に争奪戦が繰り広げられてきたこのシリーズ。なぜこれほどまでに人々を魅了するのか、そして手に入れた後にどう育てていくべきなのか。今回は、歴代の名作たちの魅力から、気になるサイズ感、レザー特有の経年変化まで、余すことなくお届けします。
変わるものと変わらないもの。コラボが生んだ新しい価値観
このコラボレーションの根底にあるテーマは「変わるもの、変わらないもの」です。ザ・ノース・フェイスが長年培ってきた、過酷な環境に耐えうる機能性や普遍的なデザイン。そこにエンダースキーマが得意とする「ベジタブルタンニンレザー」という、時間とともに表情を変える素材が組み合わされました。
通常、アウトドアギアは「新品の状態が最も機能的で美しい」とされがちです。しかし、このコラボアイテムたちは違います。使い込むほどに持ち主の癖が刻まれ、色が深まり、傷さえも思い出として刻まれていく。つまり「使い始めてから完成に向かう」という、これまでのアウトドアウェアにはなかった情緒的な価値がプラスされているのです。
第1弾から最終章となる第4弾まで、回を追うごとにその親和性は高まり、単なるロゴの貸し借りではない、真の共同製作としての完成度を見せつけました。
歴代のフットウェア名作選。ヌプシからサンダルまで
このコラボで最も注目を集めたのが、やはり足元を支えるフットウェアたちです。両ブランドのアイデンティティが最も色濃く反映されたモデルを振り返ってみましょう。
ヌプシ ダウン ブーティとモックの革新
ヌプシブーティといえば、冬の足元の定番。本来は撥水ナイロンが使われるこの名作に、あえてカウレザーを纏わせたのがコラボモデルの真骨頂です。使用されているのは、撥水加工を施したスコッチガードレザー。雪や雨を弾きながらも、本革特有の重厚感と高級感を楽しめます。
ソールにはVibram社の「アイストレック」を採用。凍結した路面でも滑りにくい実用性を確保しつつ、見た目は都会的なドレスシューズのような佇まい。このバランス感こそが、多くのファンを虜にした理由です。
クライミング ダイバーシティという発明
チロリアンシューズのようなクラシックな外見に、クライミングシューズの技術を落とし込んだ一足です。特筆すべきは、取り外し可能なインナーソック構造。外側のレザーシューズと内側のインナーが分離するため、キャンプのテント内ではインナーだけで過ごし、外に出る時は合体させるという2WAYの使い方が可能です。
「山」の機能と「街」の美学が、これ以上ない形で融合した傑作といえるでしょう。
ウルトラ ストラタム プロの気品
夏の定番サンダルも、エンダースキーマの手にかかれば一変します。ストラップ部分にレザーを配置することで、ラフになりがちなサンダルスタイルに大人っぽさを付与。履き込むほどにストラップの革が足の形に馴染み、自分だけの一足へと育っていく過程を夏でも楽しめます。
失敗しないためのサイズ感ガイド。選び方のコツとは
オンラインやリセール市場で検討する際、最も頭を悩ませるのがサイズ選びですよね。基本的にはユニセックス展開となっており、1cm刻みのサイズラインナップが多いのが特徴です。
ヌプシシリーズの場合
ヌプシ系のモデルは、内側にたっぷりとしたダウンが含まれているため、履き始めはかなり「タイト」に感じることが多いです。しかし、ここで大きすぎるサイズを選んでしまうのは禁物。履いているうちにダウンが自分の足の形に合わせて落ち着き(潰れ)、レザーも伸びてくるため、ジャストサイズを選ぶのが正解です。厚手の靴下を履く前提であれば、普段のプラス0.5cmから1cm程度を目安にするのがスムーズでしょう。
クライミング・サンダル系の場合
これらのモデルは、標準的なスニーカーのサイズ感に近い設計です。ハーフサイズの設定がないため、例えば普段26.5cmを履いている方は、27.0cmを選んでインソールやソックスで微調整するのが最も失敗の少ない選択になります。
特にレザーは履き込むと横幅が多少広がります。最初は少しキツいかな?と感じるくらいが、数ヶ月後には最高のフィット感を生み出してくれます。
レザーを育てる楽しみ。経年変化とメンテナンス
このコラボアイテムを手にする最大の喜びは、何と言っても「エイジング(経年変化)」にあります。
ハンドルやパーツの劇的な変化
バックパックなどのハンドル部分に使われているヌメ革は、最初は白っぽいベージュ色をしています。これが日光や手の脂、摩擦によって徐々に飴色へと変化していきます。
バックパックを毎日背負うたびに、自分の手の形に合わせてハンドルが色濃くなっていく様子は、まさに愛着の塊。ナイロン素材の「変わらなさ」と、レザーパーツの「変わりゆく姿」のコントラストは、このコラボならではの醍醐味です。
美しく育てるためのメンテナンス
レザーには撥水加工が施されていますが、過信は禁物です。雨の日に使った後は、乾いた布で優しく水分を拭き取り、風通しの良い日陰で休ませてあげましょう。
ヌメ革部分については、使い始める前に数日間「日光浴」をさせてあげるのも一つのテクニックです。光に当てることで革の表面に油分が浮き出し、汚れがつきにくいコーティングのような役割を果たしてくれます。乾燥が気になったら、レザークリームを薄く塗り込み、栄養を補給してあげてください。
収納力の美学。デイパックと小物たちの魅力
フットウェアに負けず劣らず人気なのが、バッグ類です。
シャトル デイパックの再解釈
シャトルデイパックといえば、ビジネスシーンでも愛用者の多い名品。コラボモデルでは、高強度なコーデュラバリスティックナイロンをベースに、レザーハンドルや特別なタグが配されました。
面白いのは、単なるデザイン変更に留まらない点です。付属のポーチが取り外せてサコッシュとして単体利用できるなど、現代のミニマルなライフスタイルに即したアップデートが施されています。
完結編を彩った小物たち
第4弾で登場したネックウォーマーなどの小物は、冬のスタイリングに奥行きを与えてくれます。ダウンのボリューム感とレザーのパッチワーク。これらが顔まわりに来るだけで、シンプルなコーディネートが一気に格上げされます。
完結した今だからこそ、手に入れる価値がある
ザ・ノース・フェイスとエンダースキーマのコラボレーションは、第4弾をもって一度その幕を閉じています。新作がリリースされない今、市場にあるアイテムはどれも貴重なアーカイブです。
流行に左右されることのないデザイン、そして何年もかけて育てていける素材使い。このアイテムたちは、単なるファッションアイテムを超えた「人生の相棒」になり得るポテンシャルを秘めています。
もしあなたが、機能性だけでなく「自分だけの物語」を刻める一足や一袋を探しているのなら、このコラボレーションは間違いなく最良の選択肢の一つになるはずです。
ノースフェイス×エンダースキーマ全解説!サイズ感や経年変化、歴代の名作を徹底レビュー:まとめ
いかがでしたでしょうか。アウトドアの合理性と、レザーブランドの情緒性。この相反する要素が見事に融合した稀有なコレクションは、今後も語り継がれる名作ばかりです。
スノーブーツを探している方も、一生モノのバッグを探している方も、ぜひこの唯一無二の世界観を体感してみてください。最初は少し硬く、よそよそしい表情をしていたレザーが、あなたの日常に寄り添い、柔らかく馴染んでいく過程。その時間は、きっとあなたにとって特別な体験になるはずです。
自分にぴったりのサイズを選び、丁寧に手入れをしながら、世界に一つだけのエイジングを楽しんでみてくださいね。

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