キャンプ場でふわっと漂うスモーキーな香り。自分で仕込んだベーコンやチーズが、飴色に輝きながら出てくる瞬間は、まさにアウトドアの醍醐味ですよね。そんな燻製キャンプの強い味方といえば、キャプテンスタッグの燻製器です。
手頃な価格で手に入り、初心者でも扱いやすいキャプテンスタッグのスモーカーですが、使い込んでいくうちに「もう少しこうなればいいのに」という欲が出てくるものです。「温度が安定しない」「もっと一度にたくさん作りたい」「長い肉を吊るしたい」……そんな悩みを抱えていませんか?
実は、少しの手間とアイデアで、この定番アイテムをプロ仕様の「最強マシン」に進化させることができるんです。今回は、キャプテンスタッグの燻製器を改造して、燻製ライフを劇的に快適にするDIY術を徹底解説します。
なぜキャプテンスタッグの燻製器を改造するのか?
そもそも、なぜ改造が必要なのでしょうか。それはキャプテンスタッグの製品が「シンプルで汎用性が高い」からこそ、ユーザー自身の好みに合わせた「伸びしろ」があるからです。
特に「フェルノ 燻製器」や「アドバンス 折りたたみスモーカー」などは、軽量で持ち運びやすい反面、気密性や拡張性において、高価なハイエンドモデルに一歩譲る部分があります。しかし、ここをDIYで補ってあげれば、数倍の価格がするスモーカーに匹敵する性能を手に入れることができるんです。
改造の目的は大きく分けて3つです。
- 正確な温度管理を可能にする
- 食材の収容量を増やす
- 煙の漏れを防いで効率を上げる
これらを実現することで、失敗しがちな温燻も、じっくり熱を通す熱燻も、自由自在にコントロールできるようになります。
温度管理の要!バイメタル式温度計の取り付け
燻製で最も失敗しやすい原因、それは「温度の上がりすぎ」や「不足」です。多くのキャプテンスタッグ製スモーカーには、標準で温度計が付いていないか、付いていても精度が物足りない場合があります。
最初に行うべき最強の改造は、本体に直接温度計を埋め込むことです。
用意するのは、SOTOのスモーカー用温度計のような、バイメタル式の平らな温度計です。取り付け方は驚くほど簡単。本体の上部や側面に、電動ドリルで温度計の径に合わせた穴を開けるだけです。
穴を開けたら温度計を差し込み、内側から付属のナットで固定すれば完成。これにより、いちいち蓋を開けて中を確認する必要がなくなります。蓋を開けるたびに内部の温度と煙が逃げてしまう……という、燻製における最大のストレスから解放されるわけです。
50度から80度をキープしたい温燻では、この数度の差が仕上がりの色ツヤに直結します。正確な数字が見えるだけで、あなたの燻製レベルは格段に上がりますよ。
気密性を高める耐熱ガスケットの魔法
折りたたみ式のスモーカーを使っていると、扉の隙間や接合部から「もわもわ」と煙が漏れ出しているのを見たことがありませんか?煙が漏れるということは、熱も逃げているということです。
この隙間を埋めるために役立つのが、耐熱ガスケットテープです。薪ストーブの補修などに使われるこのテープを、扉の縁や蓋が重なる部分に貼り付けてみてください。
これだけで、驚くほど煙の直進性が良くなります。煙が内部に滞留しやすくなるため、少ないスモークチップでもしっかりと香りがつくようになります。また、外気の影響を受けにくくなるので、冬場のキャンプでも内部温度が下がりにくくなるというメリットもあります。
ただし、完全に密閉しすぎると酸欠でチップの火が消えてしまうので、上部の排気口はしっかり確保しておくのがコツです。
網の段数を増やして大量生産を可能にする
キャンプ仲間が多い時、「もっと一気にチーズを焼きたい!」と思ったことはありませんか?標準の状態では2段しかない網を、3段、4段と増設する改造も人気です。
ここで活躍するのが、ホームセンターで手に入るステンレス製のボルトとナットです。本体の側面に等間隔で穴を開け、ボルトを内側に向かって差し込んで固定します。この出っ張ったボルトが、新しい網を支える「受け」になるのです。
追加する網は、キャプテンスタッグの純正替え網を買っても良いですし、サイズが合えば100均の焼き網でも代用可能です。
これにより、上段でベーコンを吊るしながら、中段でゆで卵、下段でチーズとナッツを燻す、といった「多段同時調理」が可能になります。効率が上がるだけでなく、見た目のワクワク感も倍増します。
長い食材も怖くない!吊り下げバーの強化
自家製ベーコンを作る際、大きなバラ肉を吊るすと重さでフックが安定しなかったり、肉の先端が底についてしまったりすることがあります。
そんな時は、本体の最上部に1本の「ステンレス丸棒」を貫通させてしまいましょう。本体の両サイドに穴を開け、太めの丸棒を通すだけです。
この一本のバーがあるだけで、耐荷重が劇的にアップします。重い肉塊も安心して吊るせますし、S字フックを使って食材同士の間隔を自由にスライド調整できるようになります。
「大きな肉を燻している」という視覚的な満足感は、この改造ならではの魅力です。ワイルドなキャンプ飯を目指すなら、ぜひ取り入れたいカスタマイズですね。
改造パーツを選ぶ際の絶対的な注意点
ここで一つ、非常に重要なポイントをお伝えします。改造に使用する金具は、必ず「ステンレス製」を選んでください。
スチール製や亜鉛メッキが施された安価なパーツは、加熱されることで有害な物質が発生したり、すぐに錆びてしまったりする恐れがあります。口に入るものを扱う道具ですから、ここは妥協してはいけません。
ステンレスボルトやステンレスワイヤーなど、素材選びには細心の注意を払いましょう。
また、見た目を変えたくて塗装をする場合も、必ず「耐熱塗料」を使用してください。普通のラッカースプレーでは熱で溶け出し、食材に悪影響を及ぼす可能性があります。安全第一で、自分だけのカスタムを楽しんでくださいね。
足回りを固めてさらに使いやすく
本体の改造だけでなく、周辺環境を整えることも立派なアップグレードです。
例えば、キャプテンスタッグのスモーカーは底が熱くなりやすいため、テーブルの上で使う際は断熱シートや厚手のベニヤ板を敷くのが鉄則です。
さらに、熱源のコントロールも重要です。カセットコンロを使用する場合は、輻射熱によるボンベの過熱を防ぐために、遮熱板を自作したり導入したりすることを強くおすすめします。
安定した足場と安全な熱源管理があってこそ、改造したスモーカーの真価が発揮されます。
メンテナンスが改造を長持ちさせる
苦労して改造した相棒ですから、長く使い続けたいですよね。燻製器は、使い終わった後の「タール」との戦いです。
ベタベタしたタールを放置すると、せっかく取り付けた温度計が動かなくなったり、増設したボルトが固着したりします。使用後は、セスキ炭酸ソーダなどのアルカリ性洗剤を使って、早めに汚れを落としましょう。
特に温度計のセンサー部分は、汚れがつくと正確な温度が測れなくなります。柔らかい布で優しく拭き取ってあげてください。手入れを重ねるごとに、改造した箇所が馴染んでいき、あなただけの「味」が出てくるはずです。
キャプテンスタッグ燻製器を改造して自分だけの相棒へ
既製品のままでも十分に優秀なキャプテンスタッグの燻製器。しかし、自分自身の手で穴を開け、パーツを付け足すことで、それは世界に一つだけの特別な道具へと進化します。
「次はどんな食材を燻そうか」「この段には何を並べようか」と考える時間は、キャンプ前の最高の楽しみになります。温度計を見ながら火力を微調整し、理想の飴色に仕上がった時の感動は、改造前とは比べものにならないほど大きいはずです。
ちょっとした工夫とDIY精神で、不便さを楽しさに変えていく。これこそが、キャンプの本質的な面白さではないでしょうか。
あなたもぜひ、キャプテンスタッグの燻製器を改造して、ワンランク上のスモーク体験を楽しんでください。次のキャンプでは、仲間たちから「そのスモーカー、どうなってるの?」と驚かれること間違いなしです。
理想の煙、理想の温度、そして最高の仕上がりを目指して。自分だけの最強スモーカーと一緒に、素晴らしいアウトドアの夜を過ごしましょう!

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