せっかく手に入れた憧れのモンベルの登山靴。「お店で試着したときは最高だったのに、いざ山を歩いてみると足が痛い…」「下り坂で爪先が当たってツライ…」なんて経験はありませんか?
実はそれ、靴のせいではなく「紐の通し方」ひとつで解決するかもしれません。登山靴はスニーカーとは違い、足を保護するための強固な作りをしています。その性能を100%引き出すには、自分の足に合わせた正しいセッティングが不可欠なんです。
今回は、日本人の足を知り尽くしたモンベルのシューズをより快適に履きこなすための、紐の通し方と締め方のコツをプロ視点で深掘りしていきます。
なぜ登山靴にとって「紐の通し方」が命なのか?
山歩きは、平地を歩くのとは比較にならないほど足に負担がかかります。数時間に及ぶ歩行、重いザック、そして急激なアップダウン。これらの過酷な環境から足を守るのが 登山靴 の役割ですが、紐が正しく締まっていないと、靴の中で足が動いてしまいます。
足が動くと摩擦で「靴擦れ」ができたり、下り坂で足が前にズレて「爪先が当たる」原因になります。また、足首の固定が甘いと捻挫のリスクも高まります。逆に締めすぎれば血流が滞り、足がしびれたり冷えたりすることも。
つまり、紐の通し方は安全で快適な登山を楽しむための「エンジンの調整」のようなものなのです。
履く前の最重要ステップ!「かかと」を合わせる儀式
紐を手に取る前に、絶対にやってほしいことがあります。それが「かかと合わせ」です。
- 靴に足を入れたら、つま先を浮かせてかかとを地面にトントンと打ち付けます。
- 靴のかかと部分と、自分の足のかかとを隙間なく密着させます。
登山靴の設計は、かかとが固定されていることを前提としています。ここがズレている状態でいくら紐を締めても、歩き出せばすぐに緩みが出てしまいます。まずは「かかとに寄せる」ことを習慣にしましょう。
モンベルの紐タイプ靴:正しい通し方と締め方の手順
モンベルのアルパインブーツやトレッキングブーツの多くは、金属製のフックにかける紐タイプです。基本的な流れを見ていきましょう。
1. つま先から「均等に」引き上げる
一番下の穴から順番に紐を引き上げます。このとき、一箇所だけを力任せに引くのではなく、下から順番に「遊び」を取っていくイメージで締めていきましょう。甲の部分が適度にホールドされることで、足の横ブレを防げます。
2. 足首の付け根で「ロック」をかける
甲の部分を締め終え、いよいよ足首のフックへ移行するポイント。ここで紐が緩みやすいのが悩みどころですよね。
おすすめは、フックにかける直前で紐を2回交差させる(サージョンズ・ノット)方法です。これで甲の部分の締まりが固定され、足首を締めている間に下が緩んでくるのを防げます。
3. フックは「上から下へ」がモンベル流
足首部分のフックに紐をかけるとき、下から上にすくい上げるのではなく、フックの「上から下へ」回し入れるように通してみてください。
こうすることで、紐がフックに噛み込みやすくなり、歩行中の振動でも緩みにくくなります。モンベルの丸紐は耐久性が高い反面、少し滑りやすい特性があるため、この通し方は非常に有効です。
リールアジャストシステム(BOA)の使いこなし術
最近のモンベル製品で増えているのが、ダイヤルを回すだけで締まるリールアジャストシステム(BOAフィットシステム)を搭載した モンベル トレッキングシューズ です。
ダイヤルを回す前のひと手間
このタイプはワイヤーが均一に締まるのがメリットですが、ベロ(タング)が曲がったまま締めると、部分的に圧迫感が出ることがあります。
ダイヤルを回す前に、ベロが中央にあるか、ワイヤーがガイドの中に正しく収まっているかを確認しましょう。
締まり具合の微調整
歩き始めて足が浮腫んでくると、少しきつく感じることがあります。リールアジャストシステムなら、歩きながらでも片手でカチカチと緩めたり締めたりできるので、こまめに調整するのが快適さを保つコツです。
登りと下りで「締め分ける」のがベテランの技
実は、山頂までずっと同じ締め方でいるのはもったいない!登りと下りでは、足の動きが全く異なるからです。
登りのとき:足首に自由を
登り坂では足首を前後に曲げる動作が多くなります。足首の上までガチガチに締めてしまうと、スネが圧迫されて疲れやすくなります。
登りでは、足首の一番上のフックだけ少し緩めに通すか、結び目の下に指が2〜3本入るくらいの余裕を持たせると、スムーズに足が前に出ます。
下りのとき:全力で「前ズレ」を防ぐ
下り坂はトラブルの宝庫です。重力で足が前に突っ込むため、爪先が靴の先端に当たって「黒爪」になるリスクがあります。
下りに差し掛かる前に、一度紐を解いて締め直しましょう。特に足首のホールドを強めにすることで、かかとを靴の後方に固定し、足が前に滑るのを物理的に止めます。
「ほどけない」結び方でトラブルを回避する
せっかく完璧に締めても、歩いている途中で紐がほどけてしまったら台無しです。自分の紐を踏んで転倒するリスクもあり、非常に危険です。
モンベルの純正紐のようなしっかりした丸紐におすすめなのが、「イアン・セキュア・ノット」や「ベルルッティ結び」です。
やり方は意外と簡単で、普通の蝶々結びを作る過程で、輪っかをもう一回転くぐらせるだけ。これだけで摩擦が劇的に増え、激しい動きでもびくともしなくなります。
また、余った紐のループが長すぎる場合は、そのままにせず、横の紐に挟み込んでおきましょう。枝や岩に引っかかるリスクを最小限に抑えるのが山の鉄則です。
足の悩み別・特殊な紐の通し方アレンジ
「どうしても親指の付け根が当たる」「甲が高くて痛い」という方は、紐の通し方を少しアレンジしてみましょう。
- 特定の場所が痛い場合: 痛い部分にある穴を一つ飛ばして紐を通します。そこだけ圧迫がなくなるので、ピンポイントの痛みから解放されます。
- 甲高の方: 紐をクロスさせずに、サイドの穴へ垂直に通す(パラレル通し)区間を設けると、甲への圧迫が劇的に和らぎます。
インソール を併用するのも手ですが、まずは紐の通し方で「逃げ道」を作ってあげることが先決です。
メンテナンスと紐の寿命について
靴紐 は消耗品です。モンベルの紐は丈夫ですが、長年使っていると表面が毛羽立ち、芯が細くなってきます。
細くなった紐はフックとの噛み合わせが悪くなり、どれだけきつく締めても緩みやすくなります。「最近、紐がよく緩むな」と感じたら、それは交換のサイン。
モンベルショップに行けば、自分のモデルに合った長さの予備紐が手に入ります。山行中に紐が切れるとパニックになるので、予備の紐をザックの底に忍ばせておくのも、デキる登山者のたしなみです。
まとめ:モンベルの登山靴は紐の通し方で変わる!
モンベルの登山靴は、日本人の多様な足型に合うように丁寧に作られています。しかし、そのポテンシャルを最後に引き出すのは、あなた自身の「紐通し」の手加減です。
- かかとをトントンと合わせる
- 下から順に遊びを取る
- フックは「上から下へ」
- 登りと下りで締め方を変える
この4点を意識するだけで、次の山行は驚くほど足取りが軽くなるはずです。
もし、今の靴に少しでも違和感があるなら、家の中で一度紐を全部抜いてみてください。そして、一からゆっくりと、自分の足の形を感じながら紐を通し直してみましょう。そのひと手間が、あなたを最高の絶景へと連れて行ってくれるはずです。
モンベルの登山靴は紐の通し方で変わる!疲れない・痛くない締め方のコツを徹底解説を最後までお読みいただきありがとうございました。あなたの山歩きが、より素晴らしいものになりますように!

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