「パタゴニアのロゴが入った、おしゃれで頑丈な傘が欲しい」
そう思ってショップや公式サイトを探し回った経験はありませんか?パタゴニアといえば、泣く子も黙るアウトドア界のトップランナー。最高峰の防水透湿素材を使ったレインウェアや、環境に配慮した物作りで世界中に熱狂的なファンを抱えています。
しかし、いざ雨の日の相棒として「パタゴニア 傘」を検索してみると、なぜか現行品が見つからない。メルカリでたまに見かけるのは、驚くほど高値がついた過去のノベルティや、数十年前にわずかに流通した希少なモデルばかりです。
結論からお伝えしましょう。現在、パタゴニアのインライン(定番商品)として傘は販売されていません。
この記事では、なぜパタゴニアが傘を作らないのかというブランドの深い哲学から、パタゴニアファンが納得して使える「一生物の代替傘」までを徹底解説します。雨の日もパタゴニアのウェアと馴染む、最高の一本を一緒に見つけましょう。
なぜパタゴニアに傘がないのか?ブランド哲学から読み解く理由
パタゴニアのカタログを開いても、傘というカテゴリーは存在しません。これには、単なる「売れないから」という理由以上の、パタゴニアらしい一貫した思想が隠されています。
1. レイヤリング(重ね着)による防水が基本
パタゴニアが最も得意とするのは、過酷な環境下で体を守る「レイヤリングシステム」です。登山やトレッキングの際、片手が塞がる傘は安全上のリスクになります。彼らが推奨するのは、パタゴニア トレントシェル3L・ジャケットに代表されるような、高い防水性と透湿性を備えたウェア。これ一着あれば、土砂降りの雨でも両手を自由に使い、安全に活動できるからです。
2. 「修理して長く使う」ことへのこだわり
パタゴニアは、製品が壊れたら買い替えるのではなく、修理して使い続けることを提唱しています。しかし、傘という道具は非常に複雑です。細い骨組み、可動パーツ、薄い布地。これらを公式の修理サービスで完璧にメンテナンスし続けるのは、物理的にもコスト的にもハードルが高いのです。使い捨てを嫌うブランドだからこそ、メンテナンスが困難な製品を安易にラインナップしないという潔さがあります。
3. 環境負荷(PFAS)への厳しい基準
パタゴニアは2025年までに、すべての製品からPFAS(有機フッ素化合物)を排除することを宣言しています。傘の撥水加工には、歴史的にこのPFASが使われてきました。独自の厳しい環境基準をクリアし、かつパタゴニアの品質基準を満たす傘を製造するには、サプライチェーンの再構築を含めた膨大なエネルギーが必要になります。
パタゴニアファンが納得できる「代わりの1本」の選び方
パタゴニアに傘がない以上、私たちは他のブランドから選ぶ必要があります。しかし、パタゴニアを愛する人にとって、ただの「雨を凌ぐ道具」では満足できないはず。以下の3つのポイントを基準に選ぶのが正解です。
- 質実剛健な耐久性: すぐに骨が折れるようなビニール傘ではなく、10年使える設計であること。
- ブランドの背景: 環境保護への取り組みや、その道に特化した専門性があること。
- ウェアとの親和性: パタゴニアのマットな質感のウェアや、ナチュラルなカラーリングに馴染むデザインであること。
ここからは、これらの条件を満たす、アウトドア愛好家からも信頼の厚いおすすめブランドをご紹介します。
1. 究極の頑丈さを求めるなら:EuroSCHIRM(ユーロシルム)
「パタゴニアのウェアを着て、台風の中でも歩ける傘が欲しい」というなら、ドイツのEuroSCHIRM ユーロシルム一択です。
中でも「バーディーパル・アウトドア・アンブレラ」は伝説的。非常に高密度なグラスファイバーフレームを採用しており、大人が上に乗っても折れないほどの強度を誇ります。金属パーツを極限まで減らしているため、錆びる心配もありません。この「壊れない」という圧倒的な信頼感は、パタゴニアの製品作りに通じるものがあります。
2. 世界最軽量クラスの衝撃:mont-bell(モンベル)
日本が世界に誇るアウトドアブランド、モンベル。パタゴニアユーザーの間でも「傘だけはモンベルを使っている」という人は驚くほど多いです。
特筆すべきはモンベル トラベルアンブレラ。わずか86gという、スマホよりも軽い驚異的なスペックです。これなら、パタゴニアの「ブラックホール・パック」のサイドポケットに常に入れておいても、重さを全く感じません。「備え」としての機能を極めた、実利主義者におすすめの逸品です。
3. 夏の相棒として完売必至:モンベル サンブロックアンブレラ
近年の酷暑で、もはや必需品となったのが日傘です。モンベル サンブロックアンブレラは、裏面を黒くすることで優れた遮熱効果を発揮し、木陰のような涼しさを提供してくれます。パタゴニアの「バギーズ・ショーツ」にTシャツという真夏のスタイルに、このシルバーの傘を差す。機能美を優先するアウトドアスタイルとして、今や定番となっています。
4. 壊れない傘の代名詞:BLUNT(ブラント)
ニュージーランド発のBLUNT ブラントは、傘の構造を根本から再設計したブランドです。特徴は、傘の先端(露先)が丸くなっていること。これにより、生地の張りを極限まで高め、猛烈な風を逃がす構造になっています。
「使い捨ての傘を減らす」というブランドのミッションは、パタゴニアの理念と共鳴します。モダンで洗練されたシルエットは、都市部での通勤用としてもパタゴニアのウェアによく似合います。
5. キャンプサイトに馴染む:Snow Peak(スノーピーク)
日本のキャンプシーンを牽引するスノーピークも、優れた傘を展開しています。スノーピーク アンブレラULは、無駄を削ぎ落としたミニマルなデザインが魅力。グレーやベージュといった落ち着いたカラーリングは、パタゴニアのアーシーな色使いと相性抜群です。
6. 伝統と技術の融合:フォックスアンブレラ(テレスコピック)
もしあなたが、パタゴニアの「アイアン・フォージ・ヘンプ」シリーズのような、無骨でクラシックな質感を好むなら、イギリスの老舗フォックスアンブレラの折りたたみモデルはいかがでしょうか。アウトドアブランドではありませんが、その堅牢な作りと、使い込むほどに馴染む天然木のハンドルは、まさに「一生物」。本物を知る大人の選択です。
7. 圧倒的な撥水力:FLO(A)TUS(フロータス)
「雨を弾く」という機能に特化するなら、フロータス 傘が面白い選択肢です。超撥水加工により、一振りで雨粒が魔法のように転がり落ちます。パタゴニアの「DWR(耐久性撥水)加工」の凄さを知っている人なら、この撥水維持力の高さには感動するはず。常にサラサラな状態で鞄にしまえるストレスフリーな体験を。
8. ミニマリストの最適解:EVERGOODS(エバーグッズ)
パタゴニアのバッグデザイナーが独立して立ち上げたブランド、エバーグッズ。彼らが公式に推奨したり、コラボレーションしたりするアイテムは、パタゴニアファンにとって見逃せません。エバーグッズのバックパックに収まるコンパクトな傘は、機能性と合理性を追求するユーザーに最適です。
9. 冒険者のための相棒:SEA TO SUMMIT(シートゥサミット)
オーストラリアのアウトドアブランドSEA TO SUMMIT。彼らの折りたたみ傘は、非常にコンパクトでありながら、航空機グレードのアルミニウムを採用するなど、素材へのこだわりが尋常ではありません。パタゴニアの遠征用ダッフルバッグに忍ばせておくのにふさわしい、タフな設計です。
10. 全天候型を極める:Knirps(クニルプス)
折りたたみ傘の代名詞とも言えるドイツのKnirps クニルプス。特に「T.220」シリーズは、自動開閉機能のスムーズさと、風に強い柔軟な構造を両立しています。パタゴニアのウェアがそうであるように、道具としての完成度が非常に高く、一度使うと手放せなくなる安心感があります。
傘を持たないという選択:パタゴニアの防水ウェアを活用する
傘を探しているあなたに、あえてもう一つの提案があります。それは、パタゴニアが最も得意とする「防水ウェア」で雨を完璧に防ぐというスタイルです。
例えば、パタゴニア フーディニ・ジャケット。これは完全防水ではありませんが、強力な撥水加工が施されており、小雨程度ならこれ一枚で十分。重さはわずか100g程度で、ポケットに収納できるほどコンパクトになります。
本格的な雨なら、前述のパタゴニア トレントシェル3L。3層構造の防水透湿素材は、長時間の雨でも衣服内をドライに保ちます。傘を差さずにフードを被り、雨の中を颯爽と歩く。それこそが、パタゴニアが提案する最も「らしい」雨の日の過ごし方かもしれません。
パタゴニア 傘を検討中の方へ:理想の雨の日スタイルを完成させよう
残念ながら、現在パタゴニアのロゴが入った傘を新品で手に入れることは困難です。しかし、それはパタゴニアが「本当に価値のあるもの」「修理して使い続けられるもの」だけを世に送り出そうとしている姿勢の裏返しでもあります。
もし、あなたがパタゴニアの精神を受け継ぐ傘を探しているなら、今回ご紹介したユーロシルムやモンベル、ブラントといった、それぞれの分野で頂点を極めたブランドの製品を手に取ってみてください。それらはきっと、パタゴニアのウェアと同じように、あなたの生活に長く寄り添ってくれるはずです。
「パタゴニア 傘」というキーワードでこの記事に辿り着いたあなたが、納得の一本、あるいは傘を必要としないほどの最高のレインウェアに出会えることを願っています。雨の日こそ、最高のアウトドアギアで外に出る。そんな楽しみを、ぜひ見つけてみてください。

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