パタゴニアの古着を手に取ったとき、「これっていつ頃のモデルなんだろう?」とワクワクしたことはありませんか?胸元のロゴデザインや、内側に隠された小さな白いタグ。実はそこには、その一着が歩んできた歴史がぎっしりと詰まっています。
古着屋さんでpatagonia レトロXを見つけたとき、そのタグが「デカタグ」なのか「雪なしタグ」なのかを知っているだけで、手にする感動も、その一着の市場価値もガラリと変わります。
今回は、パタゴニア愛好家なら絶対に知っておきたい、タグの種類と年代の見分け方を詳しく紐解いていきます。これを読めば、あなたも今日からパタゴニアの鑑定士気分を味わえるはずです。
1970年代:伝説の始まり「白タグ」の時代
パタゴニアがブランドとして産声を上げた初期、1970年代に使用されていたのが通称「白タグ」です。
現在のロゴは背景が黒ですが、当時はその名の通り背景が白地でした。この時代のアイテムは、ヴィンテージ市場でも別格の扱いを受けます。
- 白タグ(前期)1970年代前半に見られるタイプで、フィッツロイ山脈の背景にある空の色が「青とオレンジ」の2色で構成されています。山のシルエットもどこか素朴で、初期のクラフトマンシップを感じさせるデザインです。
- 白タグ(後期)1970年代後半に入ると、空の色に「紫」が加わります。青・紫・オレンジの3色グラデーションになり、山の描き込みも少し細かくなりました。
もし古着屋でpatagonia ヴィンテージの白タグを見かけたら、それはパタゴニアの歴史そのもの。手に取れること自体がラッキーな、超希少アイテムといえます。
1980年代:存在感抜群の「デカタグ」と三角タグ
1980年代に入ると、ロゴの背景が黒になり、現在のデザインに近い形になります。しかし、今のタグと決定的に違うのがその「サイズ」です。
- デカタグ(前期)1980年代前半のタグは、現行のものよりも一回り大きく、通称「デカタグ」と呼ばれます。この時期の最大の特徴は、ブランド名の右側に「®(レジスターマーク)」が付いていないことです。
- デカタグ(後期)1980年代後半になると、ついに「patagonia®」とレジスターマークが入るようになります。サイズは依然として大きいままです。
- 三角タグこの時代、特にpatagonia スナップTなどのフリース製品の襟元によく見られるのが、三角形の形をしたタグです。これも80年代を象徴するディティールで、オールドパタゴニアらしいレトロな雰囲気を醸し出しています。
80年代のアイテムは、現行品にはない独特の肉厚な生地感や、鮮やかなカラーリングが魅力。デカタグが付いているだけで、古着好きの視線を集めること間違いなしです。
1992年〜1994年:わずか3年の奇跡「雪なしタグ」
パタゴニアの歴史の中で、最もミステリアスで人気が高いのが「雪なしタグ」です。1992年から1994年頃までの、わずか数年間しか製造されませんでした。
通常、ロゴに描かれたフィッツロイ山脈の頂上付近には、白い横線(雪)が描かれています。しかし、この時期のタグにはその白い線がありません。
なぜ雪がないのか?これには諸説ありますが、当時氾濫したコピー品(偽物)との差別化を図るために、あえてデザインをマイナーチェンジしたという説が有力です。
patagonia ダスパーカの初期モデルなどにこの雪なしタグがついていると、コレクターズアイテムとして価格が高騰することもしばしば。一見するとミスプリントのようにも見えますが、それこそが本物の証なのです。
1990年代中盤:遊び心あふれる「波タグ」
90年代は、パタゴニアがさまざまなアクティビティに進出した時代でもあります。その象徴が「波タグ」です。
主に「リバーショーツ」などの水辺で使うアイテムや、カヤックラインの製品に見られます。ロゴの下に波のような曲線がデザインされており、パタゴニアの遊び心が感じられるディティールです。
この時代のpatagonia バギーズショーツなどは、今でも夏フェスやキャンプの定番として愛され続けていますね。
1994年以降:洗練された「現行タグ」の定着
1994年を過ぎると、タグのサイズは現在私たちがよく目にする小さなサイズに統一されます。デザイン自体は80年代のデカタグをそのままスケールダウンしたような形です。
現行タグといっても、すでに30年近い歴史があります。一見新しく見えても、実は90年代後半の隠れた名作だった、ということも珍しくありません。
ここで重要になるのが、外側のロゴタグではなく、内側に隠された「白いタグ」の読み解き方です。
失敗しない!内タグの「シーズンコード」で製造年を特定する
「ロゴだけでは正確な年がわからない…」そんなときに頼りになるのが、服の脇や首元についている内タグです。ここには、パタゴニアが製品を管理するための「シーズンコード」が印字されています。
タグの中に「STY」や「STYLE」という表記、その後に5桁の数字(製品番号)があるのを探してください。そのすぐ近くに、2文字または3文字の英数字が並んでいます。
- S または SP:Spring(春夏モデル)
- F または FA:Fall(秋冬モデル)
このアルファベットに続く数字が、製造年を表しています。
- S9:1989年 春夏
- F0:1990年 秋冬
- SP02:2002年 春夏
- FA15:2015年 秋冬
1980年代から90年代は数字が1桁、2000年代以降は「02」のように2桁で表記されるのが基本です。
もしネットオークションでpatagonia フリースを買おうか迷ったら、出品者に「内タグのシーズンコードを教えてください」と聞いてみましょう。これだけで、その服が何年前のものかが確実に分かります。
製品番号(スタイルナンバー)からモデル名を調べる裏技
「モデル名がわからないけど、すごくカッコいいジャケットを見つけた!」そんな時も内タグが活躍します。
先ほど触れた「STY」に続く5桁の数字は、モデルごとに割り振られた固有の番号です。
例えば「23056」という数字を見つけたら、スマホで検索してみてください。すぐに「クラシック・レトロX・ジャケット」という正解にたどり着けるはずです。
ただし、一つだけ注意点があります。どのタグにも必ずと言っていいほど記載されている「RN51884」という番号。これはパタゴニアの会社自体の登録番号なので、どの製品を見ても同じ数字が書いてあります。これではモデル特定はできないので、スルーしてOKです。
本物と偽物を見分けるためのチェックポイント
人気のパタゴニアだけに、悲しいことに偽物が出回ることもあります。タグを見て違和感を感じたら、以下のポイントを確認してください。
- 縫製の丁寧さパタゴニアは環境への配慮だけでなく、製品の耐久性にも非常に厳しいブランドです。タグの縫い付けが斜めになっていたり、糸が何本も飛び出しているようなものは、コピー品の可能性が高いです。
- フォントの太さと間隔偽物は「patagonia」の文字が妙に細かったり、文字同士がくっつきそうになっていたりすることがあります。本物は力強く、かつバランスの取れたフォントで刺繍されています。
- 内タグの素材感本物の内タグは、しなやかで少し光沢を抑えた質感が特徴です。偽物は紙のようにガサガサしていたり、逆にビニールのようにテカテカしていることがあります。
patagonia キャップなどの小物類も同様です。信頼できるショップで購入するのが一番ですが、自分自身の目を持つことも大切です。
パタゴニア タグ 年代をマスターして古着選びをもっと楽しく!
パタゴニアのタグの変遷を辿ることは、ブランドが成長してきた軌跡を辿ることでもあります。
「この白タグは、まだブランドが手探りだった頃の一着なんだな」
「この雪なしタグの時代は、どんな冒険者がこれを着ていたんだろう」
そんな想像を膨らませるだけで、ただの「古着」が自分にとっての「宝物」に変わります。
最後に、これまでの判別ポイントを整理しておきましょう。
- 1970年代:背景が白い「白タグ」。空の色が2色なら初期、3色なら後期。
- 1980年代:サイズが大きい「デカタグ」。®マークなしは前半、ありは後半。
- 1992〜94年:山の頂上に雪がない「雪なしタグ」。
- 内タグの法則:SPやFAの後の数字を見れば、製造年が100%わかる。
パタゴニアの製品は、正しく手入れをすれば何十年も着続けられるほど丈夫です。あなたが手にしたその一着が、どの年代に作られたものであっても、そこにはパタゴニアの哲学が宿っています。
次に古着屋さんへ行くときは、ぜひ胸元のロゴと内側の小さなタグをチェックしてみてください。きっと、これまで気づかなかった新しい発見があるはずですよ。
パタゴニア タグ 年代の知識を武器に、あなただけの最高の一着を見つけてくださいね!

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