「旅の荷物は、できるだけスマートにまとめたい。でも、必要なものは妥協せず持っていきたい」
そんな旅人たちのワガママを形にしたようなバックパックが、パタゴニアのパタゴニア ブラックホール・MLC 45Lです。
MLCとは「Maximum Legal Carry-on(機内持ち込み最大サイズ)」の略。その名の通り、航空会社の規定ギリギリを攻めた大容量と、パタゴニアらしいタフな作りが融合した、まさに究極のトラベルバッグと言えます。
今回は、このパタゴニア MLC 45Lを徹底的に深掘りします。なぜ世界中のミニマリストやビジネスパーソンに愛されているのか。逆に、使ってみて分かった「ここは注意が必要」というリアルな欠点まで、包み隠さずお伝えします。
45Lという絶妙なサイズ感。これひとつで世界へ行ける
パタゴニア MLC 45Lの最大の魅力は、なんといってもその圧倒的な収容力です。
45Lという容量は、一般的なデイパックが20〜25Lであることを考えると、およそ2倍以上のスペースがあります。これは、ミニマリストであれば1週間以上の海外旅行、荷物が多い人でも3〜4泊の旅をこれひとつで完結させられるサイズ感です。
特筆すべきは、その形状です。多くのバックパックが筒型で荷物を上から詰め込むタイプなのに対し、このバッグはスーツケースのように「ブックオープン(クラムシェル)」形式で180度ガバッと開きます。
これにより、底の方に沈んだ荷物を取り出すために中身をひっくり返すストレスから解放されます。メッシュの仕切りも付いているので、衣類と小物を分けて整理するのも簡単。パッキングのしやすさは、数あるバックパックの中でもトップクラスです。
さらに、最新のパタゴニア ブラックホールシリーズは、素材の質感がアップデートされました。以前のモデルは光沢感の強い「テカテカ」した素材が特徴でしたが、現行モデルはマットで落ち着いた表情に。ビジネスシーンや落ち着いたホテルでも浮くことなく、洗練された印象を与えてくれます。
背負う、掛ける、持つ。3WAYを支える驚きの機能性
このバッグがただの「大きいリュック」ではない理由は、その変幻自在な持ち方にあります。
基本はバックパックとして背負うスタイルですが、ショルダーストラップを収納すれば、手持ちのブリーフケースや肩掛けのショルダーバッグに早変わりします。
特に注目したいのが、最新モデルで進化したヒップベルトの設計です。45Lという大容量に荷物を詰め込むと、重量はかなりのものになります。それを支えるヒップベルトは、厚みがあり荷重をしっかり腰に分散してくれます。
驚くべきは、このヒップベルトが「取り外してショルダーストラップとして使える」という点です。無駄を削ぎ落とすパタゴニアらしい、合理的で美しいデザインといえるでしょう。
また、背面にはスーツケースのハンドルを通せるスリーブも備わっています。もし長期の遠征でキャリーケースと併用する場合でも、サブバッグとして上に載せて安定して移動することが可能です。
デジタルデバイスへの配慮。ノマドワーカーも納得の保護性能
現代の旅に欠かせないのが、PCやタブレットといったデバイスの持ち運びです。パタゴニア MLC 45Lは、その点も抜かりありません。
背面側には独立したPCコンパートメントが設けられており、16インチクラスの大型ノートPCも余裕で収納できます。このポケットはクッション性が高く、地面に置いた際も衝撃が直接PCに伝わらないよう底上げされた構造になっています。
さらに嬉しいのが、このPC収納部分が「フラットに開く」こと。アメリカの空港検査などで、PCをバッグから出さずにそのままスキャンできるTSA準拠の設計(※運用状況によります)になっており、セキュリティチェックの煩わしさを軽減してくれます。
周辺機器をまとめるオーガナイザーポケットも充実しており、充電器やケーブル、ペンや手帳といった小物が迷子になることもありません。
使って分かった「ここが気になる」リアルな欠点
どんなに優れた名品にも、必ず弱点はあります。購入前に知っておくべきポイントを整理しましょう。
まず、最大の懸念は「重量」です。パタゴニア MLC 45L自体の重さが約1.6kgあります。ここに45Lフルで荷物を詰めると、総重量は簡単に10kgを超えてきます。
本格的な登山用ザックのような強力なフレームは入っていないため、10kg以上の荷物を背負って何時間も歩き続けるのは、いくらヒップベルトがあっても肩への負担は避けられません。「あくまで都市間の移動や、空港からホテルまでの徒歩」を想定した作りであることを理解しておく必要があります。
次に、外部のボトルポケットがない点です。最近のバックパックでは当たり前の装備ですが、MLC45はスマートな見た目を優先しているため、外側に水筒を挿す場所がありません。飲み物を取り出すたびにジッパーを開ける必要があるのは、喉が渇きやすい人にとっては少し手間に感じるかもしれません。
最後に、その「大きさ」ゆえの悩みです。機内持ち込み最大サイズということは、裏を返せば「座席の下」には入りません。必ず頭上の棚に収納することになります。また、小柄な方が背負うと、バッグに背負われているような見た目になりがちです。
もし「日常使いもしたい」と考えているなら、一回り小さいパタゴニア ブラックホール・ミニ・MLC 30Lの方が、サイズバランスとしては扱いやすいでしょう。
環境への配慮と、一生モノの信頼性
パタゴニアというブランドを選ぶ最大の理由は、その企業姿勢にあるという方も多いでしょう。
このパタゴニア ブラックホールシリーズは、本体から裏地、ウェビングに至るまで、100%リサイクル素材で作られています。それでいて、過酷な使用に耐えうる耐久性を備えているのが驚きです。
万が一、ジッパーが壊れたり生地が破れたりしても、パタゴニアには「アイアンクラッド保証」があります。修理して長く使い続けることを前提とした文化は、まさにサステナブルな旅の相棒にふさわしい選択です。
使い込むほどに愛着が湧き、世界中を共に旅した証としての傷さえも誇らしく思える。そんなバッグは、そう多くありません。
パタゴニアMLC45を徹底レビュー!機内持ち込み最大サイズの魅力と欠点を解説のまとめ
最後に、改めてパタゴニア MLC 45Lがどんな人に向いているのかを整理します。
このバッグが最適なのは、以下のような方です。
- キャリーケースの「ガラガラ」という音が苦手で、機動力を重視したい。
- 空港での荷物待ち時間をゼロにして、到着後すぐに動き出したい。
- 1週間程度の旅を、ひとつのバックパックでスマートにこなしたい。
- 耐久性が高く、何年も使い続けられる一生モノを探している。
一方で、荷物を軽くしたいデイリーユース派や、体力に自信がない方には少しオーバースペックかもしれません。
しかし、「これひとつあれば、どこへでも行ける」という安心感は何物にも代えがたいものです。機内持ち込み制限という制約の中で、最大限の自由を手に入れるためのツール。それが、このパタゴニア MLC 45Lの本質です。
あなたの次の旅を、もっと自由に、もっと軽やかに変えてくれる。そんな相棒として、この大容量バックパックを背負ってみませんか。
今回のレビューを参考に、ぜひ自分にぴったりの旅のスタイルを見つけてみてください。

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