サーフィンを愛する人なら一度は憧れるブランド、パタゴニア。そのラインナップの中でも、ひときわ異彩を放っているのがウェットスーツです。
「パタゴニアのウェットスーツって、ぶっちゃけどうなの?」
「天然ラバーって重くない? 動きにくくない?」
「値段が高いから、失敗したくない……」
そんな不安や疑問を抱えている方も多いはず。実は、パタゴニアのウェットスーツは単なる「エコなアイテム」ではありません。徹底したフィールドテストと、10年先を見据えたリペア体制が組み合わさった、非常に合理的なギアなんです。
今回は、パタゴニア ウェット スーツの真の評判から、後悔しないためのモデル選び、そして1シーズンでも長く使い倒すためのメンテナンス術まで、余すことなくお届けします。
ネオプレンを使わない「ユーレックス」という革命
パタゴニアのウェットスーツを語る上で外せないのが、素材へのこだわりです。一般的なウェットスーツの多くは、石油を原料とする「ネオプレン」という合成ゴムで作られています。しかし、パタゴニアは2016年から、このネオプレンを一切使用していません。
代わりに採用されているのが「ユーレックス(Yulex)」という天然ラバーです。これはヘベアの木から採れる樹液を原料としており、製造工程における二酸化炭素の排出量を最大80%も削減しています。
「環境に良いのはわかったけど、パフォーマンスはどうなの?」と心配されるかもしれませんが、安心してください。初期のユーレックスは確かに「少し硬い」という評価もありました。しかし、最新のパタゴニア ウェットスーツは、素材の配合や裏地の改良を重ね、驚くほどの柔軟性と保温性を手に入れています。
特にパドリング時の肩周りのストレスの少なさは、長時間のセッションでその真価を発揮します。石油由来の製品特有のツンとした臭いがないのも、地味ながら嬉しいポイントですね。
水温別・Rシリーズの賢い選び方
パタゴニアのウェットスーツは、水温に合わせて「R1」から「R4」までのレイティングで分類されています。これが非常に分かりやすく、自分のホームポイントの状況に合わせて最適な一着を選べるようになっています。
- R1 Lite(水温18℃〜23℃):真夏の千葉や湘南、あるいは南国でのサーフィンに最適です。1.5mm〜2mmという薄さで、まるで素肌で泳いでいるような解放感があります。
- R1(水温16℃〜18℃):初夏や秋口など、水温はそこまで低くないけれど風が冷たい時期に活躍します。3mm/2mmの厚さが標準的で、動きやすさと保温性のバランスが絶妙です。
- R2(水温13℃〜16℃):日本の多くのエリアで、冬の始まりから春先までメインを張れるモデルです。3.5mm/3mmの厚みがあり、裏地には保温性の高いリサイクル・ポリエステルが使われています。
- R3(水温9℃〜13℃):千葉や茨城の厳冬期、あるいは東北の初冬に。4.5mm/3.5mmという厚手仕様で、冷たい海水の中でも体温をしっかりキープしてくれます。
- R4(水温3℃〜9℃):極寒の北海道や真冬の日本海。5.5mm/4mmという重装備で、フード一体型のモデルが主流になります。
自分の行く海がどれくらいの水温なのかを事前にチェックして、最適なパタゴニア Rシリーズを選ぶことが、後悔しないための第一歩です。
既製サイズで失敗しないフィッティングのコツ
パタゴニアのウェットスーツは、基本的にフルオーダーではなく「既製サイズ」です。日本ブランドのオーダー品に慣れていると不安に感じるかもしれませんが、パタゴニアはサイズのバリエーションが非常に豊富です。
注意したいのは、パタゴニアはアメリカのブランドなので、サイズ感がやや大きめだということ。一般的には、普段着ている日本のウェットスーツよりもワンサイズ下を選ぶとフィットすることが多いです。
最近では、日本人の体型に合わせた「アジア・フィット」も展開されています。手足の長さが調整されているため、これまで「パタゴニアは袖が余る」と敬遠していた方でも、ぴったりのサイズが見つかるはずです。
試着の際のポイントは、「少しキツいかな?」と感じるくらいが正解だということ。天然ラバーは水に入るとわずかに馴染みます。また、首回りや手首のシールがしっかり効いているかを確認しましょう。浸水を防ぐことが、ユーレックスの保温力を最大限に引き出すコツです。
修理して使い続ける「アイアンクラッド保証」の価値
パタゴニアのウェットスーツは、決して安くはありません。むしろ、他ブランドの既製品と比べれば高価な部類に入ります。それでも多くのサーファーがパタゴニアを選ぶのは、その「寿命」が圧倒的に長いからです。
パタゴニアには「アイアンクラッド保証」という制度があります。これは、製品に満足がいかない場合や、製造上の欠陥がある場合に修理や交換を受け付けるというもの。しかし、特筆すべきは「使い古した後の修理体制」です。
千葉県の鎌倉にあるリペアセンターには、ウェットスーツ専門の職人が常駐しています。フィンで切ってしまった傷、経年劣化による接合部の剥がれ、ジッパーの故障など、あらゆるトラブルに対応してくれます。
3年使ってボロボロになったウェットを買い換えるのではなく、数千円の修理費用でリペアして、さらに2年、3年と使い続ける。この「一着と長く付き合う」というスタイルこそが、パタゴニアを選ぶ最大のメリットであり、結果としてトータルのコストパフォーマンスを最強にするのです。
寿命を劇的に延ばすメンテナンス術
どれほどタフなパタゴニアでも、扱いが雑であれば寿命は縮まってしまいます。特に天然ラバーは、石油製品よりも日光や乾燥にデリケートな側面があります。
まず、海から上がったらすぐに真水で洗いましょう。潮が残っていると、乾燥した時に塩の結晶が生地を傷めます。2〜3回に一度は、ウェットスーツ 洗剤を使って、目に見えない皮脂汚れや雑菌を落とすのが理想的です。
そして、最も重要なのが「干し方」です。絶対に直射日光の下に干してはいけません。紫外線はラバーを硬化させ、ひび割れの原因になります。必ず風通しの良い日陰で、裏返しの状態で干しましょう。
また、ハンガー選びも重要です。細いハンガーは肩の部分に負担がかかり、生地が伸びてしまいます。厚みのあるウェットスーツ専用のハンガーを使い、形を整えて保管してください。これだけで、3年後のラバーの柔らかさが劇的に変わります。
サステナブルな選択がサーフィンの未来を作る
私たちが大好きな海は、気候変動や汚染の影響をダイレクトに受けています。サーファーとして、海を楽しむための道具が海を汚しているとしたら、それはとても悲しいことです。
パタゴニアのウェットスーツを選ぶことは、単に高性能なギアを手に入れること以上の意味を持ちます。それは、石油への依存を減らし、公正な労働環境を守り、使い捨ての文化にノーを突きつけるという意思表示でもあります。
使い込んで、パッチワークのように修理の跡が増えていったウェットスーツは、新品よりもずっと格好良く見えるものです。
パタゴニア ウェット スーツの評判は?後悔しない選び方と寿命を延ばす手入れ術のまとめ
パタゴニアのウェットスーツは、一度その思想と機能性に触れると、他の選択肢が考えられなくなるほどの魅力を持っています。
天然ラバー「ユーレックス」のしなやかなパドル性能、日本の海に合わせたRシリーズの確かな保温性、そして何より、傷ついても何度でも直して使い続けられる安心感。これらは、あなたのサーフィンライフをより豊かで、深いものにしてくれるはずです。
サイズ選びに迷ったら、ぜひショップに足を運んで試着してみてください。そして、手に入れた一着を我が子のように大切に扱い、何年も、何百回も、素晴らしい波を共に乗り越えていってください。
その一着は、あなたの最高の相棒になるはずです。

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