「最近、街でパタゴニアを着ていると視線が気になる……」
「ネットで『パタゴニアおじさん』なんて言葉を見かけて、自分もそう思われていないか不安になった」
そんな悩みをお持ちの30代・40代・50代の男性は意外と多いのではないでしょうか。かつては本格派クライマーやアウトドア愛好家の証だったパタゴニア。今や大人の休日スタイルの定番ですが、一歩間違えると「古臭い」「痛い」「無頓着」というレッテルを貼られてしまう危険も孕んでいます。
しかし、安心してください。パタゴニアというブランド自体は、世界最高峰の機能性と環境への高い志を持つ、大人が着るにふさわしい素晴らしいプロダクトです。問題は「何を着るか」ではなく「どう着るか」にあります。
今回は、巷で言われる「パタゴニアおじさん」の実態を解明し、周囲から「あのおじさん、センスいいな」と思われるための具体的な着こなし術と、一生モノとして愛せる名作モデルを徹底解説します。
なぜ「パタゴニアおじさん」は揶揄されるのか?その正体と境界線
そもそも、なぜパタゴニアを着る中年男性が注目され、時にはネガティブな文脈で語られてしまうのでしょうか。その理由は、パタゴニアというブランドが持つ「強すぎる記号性」にあります。
ステータスと安心感の裏返し
パタゴニアは決して安いブランドではありません。一着数万円するフリースやアウターを揃えられるのは、ある程度の経済的余裕がある証拠でもあります。そのため、「高収入で、週末はアクティブに自然を楽しむ、意識の高い自分」を演出するツールとして、無意識に選ばれやすいのです。
この「テンプレート化された余裕」が、見る人によっては「鼻につく」あるいは「みんな同じ格好で個行がない」と映ってしまうのが、パタゴニアおじさんと呼ばれてしまう第一歩です。
「機能性」という名の免罪符
おじさん世代が陥りやすい罠が、「機能が良いからこれでいいんだ」という思考停止です。
- 山登り用のブカブカなサイズ感のまま街を歩く
- 10年以上前に買った、毛玉だらけのフリースを「味がある」と思い込んで着続ける
- 真冬の都会なのに、ヒマラヤ遠征にでも行くようなオーバースペックなダウンを着る
これらはすべて、機能性を優先するあまり「客観的な見た目」を捨ててしまった状態です。この「街との違和感」こそが、周囲が感じる「痛さ」の正体と言えるでしょう。
痛いと言わせない!大人のパタゴニア着こなし3つの鉄則
パタゴニアをスマートに着こなすためには、アウトドアのルールではなく「街着のルール」を適用する必要があります。以下の3つのポイントを守るだけで、おじさん臭さは一気に解消されます。
1. 「全身パタゴニア」を卒業し、異素材を混ぜる
一番やってはいけないのが、トップスもパンツも帽子もすべてパタゴニアで固めてしまうことです。これでは「今から登山ですか?」と聞きたくなるような、ただのコスプレになってしまいます。
大人の正解は「一点豪華主義」です。
例えば、上半身にパタゴニア レトロXを持ってきたら、下半身はあえてアウトドア感を消します。細身のネイビーのスラックスや、綺麗めなリジッドデニムを合わせるだけで、一気に都会的な印象に変わります。足元もトレッキングシューズではなく、シンプルなレザースニーカーやサイドゴアブーツを選ぶのがコツです。
2. サイズ感は「ジャスト」が基本
パタゴニアは米国サイズです。普段の日本サイズ(L)感覚で選ぶと、袖が長すぎたり身幅が余りすぎたりして、だらしなく見えてしまいます。
おじさん世代がルーズなサイズを着ると、単に「服に着られている人」や「体型を隠そうとしている人」に見えがちです。基本的には普段よりワンサイズ下げ、肩のラインがピタッと合うものを選んでください。鏡を見たときに、シルエットが「Iライン(垂直)」になることを意識するだけで、清潔感が劇的にアップします。
3. 色選びは「アースカラー」か「モノトーン」で
パタゴニアといえば、レトロな原色使いの配色も魅力の一つです。しかし、50代前後の方が派手なパープルやエメラルドグリーンを街で着こなすのは至難の業です。
失敗しないためには、ネイビー、ブラック、グレー、オリーブといった落ち着いた色味を選びましょう。特にネイビーは、日本人の肌色にも馴染みやすく、品の良さを演出してくれます。もし色で遊びたいなら、インナーのTシャツや靴下など、面積の小さい部分で取り入れるのが大人の余裕です。
これだけは持っておきたい!「脱・おじさん」を叶える殿堂入り名品
パタゴニアには数多くのモデルがありますが、大人が街着として取り入れるべきアイテムは限られています。長く愛用でき、かつ「痛い」と思われないための厳選モデルを紹介します。
クラシック・レトロX・ジャケット
パタゴニアの代名詞とも言えるのがパタゴニア レトロXです。厚手のフリースと防風バリヤーを組み合わせたこのジャケットは、もはや冬の制服と言っても過言ではありません。
- 着こなしのコツ: モコモコとしたボリュームがあるため、パンツは必ず細身を選んでください。インナーに襟付きのシャツ(ボタンダウンシャツなど)を合わせると、フリース特有のカジュアルさが中和され、大人っぽい表情になります。
バギーズ・ショーツ(5インチ / 7インチ)
夏の大定番といえば、多機能型ショーツのパタゴニア バギーズショーツです。海でも街でも使える万能選手ですが、おじさん世代は丈の長さに注意が必要です。
- 着こなしのコツ: 足の露出に抵抗がある方は7インチ(長め)を選びがちですが、あえて5インチ(短め)を選び、上に長袖のシャツを羽織るスタイルが今っぽくておしゃれです。また、バギーズは色が豊富ですが、大人はブラックやネイビー、あるいは落ち着いたベージュを選ぶと、子供っぽくなりません。
トレントシェル3L・ジャケット
雨の日や肌寒い季節に重宝するのがパタゴニア トレントシェル3Lです。シンプルなデザインでロゴも控えめなため、ビジネスシーンのレインコート代わりとしても活用できます。
- 着こなしのコツ: この手のシェルジャケットは、シワシワのまま着ると「作業着」に見えてしまいます。使わない時は丁寧に畳むか、ハンガーにかけて保管し、常にパリッとした状態を保つのが、清潔感を出す秘訣です。
R1・R2シリーズ(フリース)
レトロXよりも薄手で、インナーとしても優秀なのがRシリーズです。非常に軽量で温かく、シルエットもタイトに作られています。
- 着こなしのコツ: 非常にスポーティーなアイテムなので、あえてウールコートのインナーに忍ばせる「レイヤードスタイル」がおすすめです。本格的な機能を、都会的なファッションのスパイスとして使うのが、真のパタゴニア通の着こなしです。
「清潔感」と「アップデート」がパタゴニアを輝かせる
パタゴニアおじさんと、パタゴニアを着こなす渋い大人。その決定的な差は、細部への配慮にあります。
毛玉と汚れのメンテナンス
フリース素材は、どうしても摩擦で毛玉ができます。パタゴニアの製品は丈夫ですが、毛玉だらけの状態は「生活感」を強く漂わせます。定期的に毛玉取り機でケアをする、あるいは公式サイトが推奨する「環境に優しい洗濯方法」を実践しましょう。道具を大切に手入れしている姿勢こそが、大人の余裕として周囲に伝わります。
「10年前の自分」を更新する
「20年前のシンチラを今でも着ている」というのは、パタゴニアの理念である「長く使う」という点では正解です。しかし、ファッションとしては、自分の体型や時代の空気感に合わせてアップデートする必要があります。
昔のモデルは、今の基準で見るとシルエットが野暮ったいこともあります。もし今の自分が着てみて「なんだかパッとしないな」と感じたら、それは製品の寿命ではなく、あなたのスタイルとのズレかもしれません。古いものを大切にしつつ、今の自分に似合う最新の定番モデルを一つ取り入れる。その柔軟さがおじさん臭さを払拭します。
まとめ:パタゴニアおじさんはダサい?痛いと言われないための正解コーデと定番モデル解説
「パタゴニアおじさん」という言葉に怯える必要は全くありません。むしろ、パタゴニアが持つ「環境への責任」や「シンプルで丈夫なものづくり」というストーリーを理解して着ている男性は、非常に知的で魅力的です。
ダサい、痛いと言われてしまう原因は、ブランドそのものではなく、サイズ選びのミス、清潔感の欠如、そして「全身アウトドア」という過剰な演出にありました。
- サイズはジャスト。
- 街着(スラックスやシャツ)と混ぜる。
- 色は落ち着いたトーンでまとめる。
この3点を意識するだけで、あなたのパタゴニアスタイルは見違えるほど洗練されます。パタゴニアのウェアは、正しく選べば10年、20年と寄り添ってくれる最高の相棒になります。
流行を追いかけるのではなく、自分のライフスタイルに根ざした一着を、背筋を伸ばして着こなす。そんな「パタゴニアおじさん」なら、きっと誰もが憧れる存在になれるはずです。さあ、クローゼットにある一着を手に取って、今の自分に似合う最高のコーディネートで街へ出かけましょう。
次は、あなたのパタゴニアに合わせて、足元を彩る「大人のためのレザースニーカー選び」についてお話ししましょうか。

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