冬の街を歩けば必ずと言っていいほど目にする、あのボリューム感のあるダウンジャケット。そう、ザ・ノース・フェイス ヌプシジャケットです。1992年の誕生から30年以上が経過してもなお、世界中で愛され続けているこの名作には、実は深い歴史と、選ぶ際に絶対に外せないポイントがいくつも隠されています。
「どれも同じに見えるけど何が違うの?」「サイズ選びで失敗したくない」「偽物を買わされないか不安」といった、購入前に誰もが抱く悩み。今回は、そんな疑問をすべて解消するために、ヌプシの魅力を徹底的に紐解いていきます。
ヌプシがなぜこれほどまでに愛されるのか
ヌプシが単なる流行のファッションアイテムではなく、タイムレスな名作として君臨しているのには理由があります。それは、過酷な山岳地帯での使用を想定した圧倒的なスペックと、ストリートに馴染むデザインが究極のバランスで融合しているからです。
ヒマラヤ山脈の標高7,861mの山「Nuptse(ヌプシ)」から名付けられたこの一着は、もともと登山者のための装備として開発されました。そのため、驚くほど軽く、そして驚くほど暖かい。表地には50デニールのリップストップナイロンを採用しており、引き裂きにも強いタフな作りになっています。
さらに、現在のノースフェイス ヌプシは、環境にも配慮した「クリーンダウン」や「グリーンダウン」を使用しています。河田フェザーによる高度な洗浄工程を経た羽毛は、不純物が徹底的に取り除かれているため、保温力が非常に高く、独特の匂いも抑えられています。サステナブルな時代に寄り添いながら、進化を続けている点もファンを惹きつける理由の一つですね。
日本・US・韓国で異なるサイズ感の秘密
ヌプシを選ぶ際に最も頭を悩ませるのが「規格」の違いです。実は販売されている地域によって、サイズ感や仕様が大きく異なります。
まず、日本国内の正規代理店であるゴールドウインが展開する「日本規格」。これは日本人の体型に合わせて設計されているため、身幅がややタイトで、着丈も短めに設定されています。スタイリッシュに、ジャストサイズで着こなしたい方には間違いなくこちらがおすすめです。
一方で、海外のセレクトショップなどで見かける「US規格」は、いわゆる1996 レトロ ヌプシ ジャケット。こちらは1990年代のシルエットを再現しており、ボックス型のシルエットでかなりボリュームがあります。日本規格よりも1〜2サイズほど大きく感じるのが特徴で、袖には「700」というフィルパワーを示す刺繍が入っているのが目印です。
最近人気急上昇中なのが、韓国限定で展開されている「ホワイトレーベル(韓国規格)」です。こちらは日本規格とUS規格の中間のようなサイズ感で、トレンドを意識したデザインやカラーリングが多いのが特徴です。自分の好みのシルエットがどれなのかを事前に把握しておくことが、失敗しない第一歩になります。
失敗しないための具体的なサイズ選びの目安
実際に購入する際、どのサイズを選べばいいのか。日本規格のヌプシジャケットを基準に考えると、以下のような目安になります。
- 身長160cm前後の方:Mサイズ少しゆとりを持って着られるサイズ感です。女性がオーバーサイズで着るのにも適しています。
- 身長170cm前後の方:Lサイズ標準的な体型の方であれば、インナーにスウェットやパーカーを着込んでちょうど良いサイズになります。
- 身長180cm前後の方:XLサイズ以上ヌプシらしいボリューム感を出しつつ、袖丈もしっかり確保できるサイズです。
最近のトレンドでは、あえて1サイズアップして裾のドローコードをギュッと絞り、丸みのあるシルエットで着こなすスタイルも人気です。ただし、あまりに大きすぎると肩が落ちすぎて「着られている感」が出てしまうため、自分の肩幅との相性をチェックするのがポイントです。
定番だけじゃない!ヌプシのバリエーション
「ヌプシ」と一言で言っても、実はいくつかの派生モデルが存在します。用途や好みに合わせて選べるのも、このシリーズの面白いところです。
最もポピュラーなのが「ヌプシジャケット」ですが、より都会的で個性的なデザインを求めるなら「ノベルティヌプシ」をチェックしてみてください。カモフラージュ柄やアイスダイ(氷染め)柄など、定番の黒とは一味違う表情を楽しめます。
また、袖のない「ヌプシベスト」も非常に使い勝手の良いアイテムです。秋口から春先まで長く着用でき、パーカーとのレイヤードスタイルはストリートファッションの王道とも言えます。車移動が多い方や、建物の中での活動が多い方にとっては、袖がない分動きやすく、体温調節もしやすいため重宝します。
さらに、女性向けに丈を短くした「ショートヌプシジャケット」も展開されています。ハイウエストのパンツやスカートとの相性が抜群で、スタイルアップ効果が狙えるため、女性からの支持が非常に高いモデルです。
偽物を見分けるための真贋ポイント
人気アイテムの宿命とも言えますが、残念ながらノースフェイスの偽物は市場に多く出回っています。特にフリマアプリなどで極端に安く販売されているものには注意が必要です。
まずチェックすべきは「ロゴ刺繍」の精度です。本物は一針一針が非常に密で、文字が潰れたり繋がったりすることはありません。特に「THE NORTH FACE」の「C」や「O」の形が歪んでいたり、3本のライン(ハーフドーム)の感覚が不均等だったりする場合は、偽物の可能性を疑ってください。
次に、タグの確認です。日本規格であれば必ず「株式会社ゴールドウイン」の記載があります。また、近年のモデルにはタグの最下部に小さなホログラムシールが貼られています。光の当たり方で輝きが変わるこのホログラムは偽造が難しいため、大きな判断基準になります。
最後にファスナーです。世界トップシェアの「YKK」製が採用されており、スライダー部分の刻印が鮮明です。動きがスムーズでない、あるいは金属の質感が安っぽいといった違和感がある場合は、細部までしっかり確認することをおすすめします。
長く愛用するための正しいお手入れ方法
高価な買い物だからこそ、一シーズンでダメにすることなく、5年10年と愛用したいですよね。ダウンジャケットのお手入れで最も大切なのは、羽毛の「ふくらみ」を維持することです。
意外かもしれませんが、ヌプシは自宅での手洗いが可能です。皮脂汚れが付きやすい襟元や袖口は、中性洗剤をつけたスポンジなどで優しく叩き洗いをします。全体を洗う際は、ダウン専用の洗剤を使用し、大きなタライなどで押し洗いをしてください。
乾燥が最も重要なステップです。自然乾燥だけでは羽毛がダマになってしまい、保温力が落ちてしまいます。ある程度乾いたら、コインランドリーなどの乾燥機を「低温」で数十分かけるのがコツです。そうすることで羽毛の間に空気が入り、新品のようなフカフカの状態が復活します。
保管の際は、付属のスタッフサックに入れっぱなしにするのは厳禁です。羽毛が潰れた状態が続くと、元に戻らなくなってしまいます。通気性の良いカバーをかけ、太めのハンガーに吊るしてクローゼットに収納しましょう。
ヌプシを実際に着てみて感じる「リアルな感想」
実際に愛用しているユーザーの声を聞くと、圧倒的に多いのが「軽さ」に対する驚きです。「冬の重いコートで肩が凝るのが悩みだったけれど、ヌプシに変えてから本当に楽になった」という意見が目立ちます。
また、機能面では「首元の暖かさ」が高く評価されています。襟部分にはフードが収納されており、その分生地が厚くなっているため、マフラーいらずで冬を過ごせます。
一方で、気になる点として挙げられるのが「被りやすさ」です。あまりの人気ゆえに、街中で他の人と服装が被ってしまうことは避けられません。それを回避するために、あえて珍しいカラーを選んだり、ヴィンテージのモデルを探したりするファンも多いようです。
「電車の中では暑すぎる」というのも、ヌプシあるあるかもしれません。それほどまでに保温力が高いということですが、フロントジップを開けて温度調節をしたり、インナーを薄手のTシャツ一枚にしたりといった工夫で、都会の冬でも快適に過ごすことができます。
ノースフェイスのヌプシ選び方ガイド!サイズ感や種類、本物と偽物の見分け方を解説
ここまで、ノースフェイス ヌプシの魅力から選び方のコツ、メンテナンス方法まで詳しくお伝えしてきました。
ヌプシは単なる防寒着ではなく、袖を通すだけで気分が上がる、不思議な力を持ったジャケットです。自分にぴったりのサイズを選び、正しくお手入れをすれば、それはあなたにとって最強の相棒となってくれるはず。
日本規格のタイトなシルエットでスマートに決めるか、US規格のタフなボリューム感を楽しむか。ぜひ、今回ご紹介したポイントを参考に、あなたにとって最高の「一生モノのヌプシ」を見つけてください。冬の寒さが待ち遠しくなるような、素敵な一着に出会えることを願っています。

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