キャンプの夜、地面のゴツゴツや冷気で眠れなかった経験はありませんか?快適な睡眠を左右する最重要アイテムといえばキャンプマットです。なかでも折りたたみ式のクローズドセルマットは、パンクの心配がなく、広げるだけで使える手軽さから絶大な人気を誇ります。
ここで必ずといっていいほど比較の対象になるのが、王道ブランドのサーマレストと、圧倒的なコストパフォーマンスを誇るキャプテンスタッグです。
「見た目は似ているのに、値段が3倍以上違うのはなぜ?」「安い方を買って後悔したくないけれど、高い方を買う価値はあるの?」そんな疑問を抱えている方のために、両者の違いを徹底的に掘り下げていきます。
そもそもクローズドセルマットとは?
比較に入る前に、まずは両ブランドが採用している「クローズドセルマット」という形式についておさらいしておきましょう。これは、ポリエチレンなどの発泡素材で作られたマットのことで、アコーディオンのように折りたたんで収納できるのが特徴です。
空気を入れるインフレーターマットやエアーマットと違い、鋭利な石や火の粉で穴が開いてもクッション性が失われません。この「絶対的な安心感」こそが、過酷な環境に挑む登山家や、設営撤収を楽にしたいキャンパーに支持される理由です。
このジャンルにおいて、世界的な基準を作ったのがサーマレストであり、日本でそのスタイルを一般層まで広めたのがキャプテンスタッグといえます。
スペックから見える決定的な違い
まずは数字上のスペックを見ていきましょう。比較するのは定番のサーマレスト Zライトソルと、キャプテンスタッグ EVAフォームマットです。
まず注目すべきは価格です。キャプテンスタッグは3,000円前後で購入できるのに対し、サーマレストは1万円を超えることが珍しくありません。この価格差の理由は、主に「断熱性能」と「素材の質」に集約されます。
重さはどちらも400g〜500g前後と非常に軽量。バックパックの外側に括り付けて歩いても負担にならない重さです。サイズについては、キャプテンスタッグの方が横幅が約5cmほど広く設計されています。この「5cmの余裕」が、実は寝返りの打ちやすさに直結するポイントでもあります。
断熱性能を示す「R値」の壁
キャンプマット選びで最も重要な指標が「R値(アール値)」です。これは熱の伝わりにくさ、つまり断熱性を示す数値です。この数値が高いほど、地面からの冷気を遮断し、自分の体温を逃がさない能力が高いことを意味します。
サーマレスト Zライトソルは、世界共通の測定規格であるASTM規格に基づき、R値2.0という数値を公表しています。さらに、表面にはアルミ蒸着加工が施されています。この銀色の層が体温を反射して体に戻してくれるため、見た目以上に暖かさを感じることができます。
一方、キャプテンスタッグ EVAフォームマットはR値を公表していません。一般的なEVAフォームの厚みから推測すると、R値は1.0から1.5程度と考えられます。また、主流のモデルにはアルミ加工がないため、放射冷却による熱損失を防ぐ能力はサーマレストに及びません。
夏の平地キャンプであればキャプテンスタッグで十分ですが、春先や秋口、標高の高いキャンプ場では、夜中に背中から冷えを感じる可能性があります。冬に使用する場合は、キャプテンスタッグ単体では厳しく、他のマットとの重ね使いが必須となるでしょう。
寝心地を左右するクッション性と「ヘタリ」
次に、実際に寝てみたときの感触と耐久性についてです。
サーマレストのマットは、独自のポリエチレンフォームを使用しており、独特の粘りとコシがあります。指で押すとしっかり押し返してくる感覚があり、2cmという薄さながら底付き感が驚くほど少ないのが特徴です。また、表面の凹凸が計算されており、この隙間に空気が溜まることで保温性を高めています。
対してキャプテンスタッグは、サーマレストに比べると素材がやや硬めに感じられます。沈み込みが少ないため「硬めの寝心地が好き」という人には好評です。ただし、素材の密度や復元力という点では、価格なりの差が現れます。
特に顕著なのが、長期間使用した際の「ヘタリ」です。サーマレストは数年使い込んでも凹凸の山が潰れにくく、クッション性が持続します。一方、キャプテンスタッグは頻繁に使用していると、体重がかかる腰の部分などが次第に平らになってきます。数年単位の長期スパンで見れば、サーマレストの方が買い替え頻度が低く、結果的に安上がりになるという考え方もできます。
携帯性とパッキングの利便性
どちらもアコーディオン式に折りたためるため、設営と撤収は一瞬で終わります。丸めるタイプ(ロール式)のように勝手に広がってしまうストレスもありません。
パッキングの際、キャプテンスタッグには最初から収納用のゴムバンドが2本付属しています。これは地味ながら非常に嬉しいポイントです。サーマレストは基本的にバンドが付属していないため、バックパックに外付けする際はストラップを利用するか、自分でヘアゴムなどを用意する必要があります。
ただし、収納サイズはサーマレストの方が一回りコンパクトにまとまります。横幅が狭い分、ザックの横からはみ出しにくく、藪漕ぎが必要な登山ルートなどではこの数センチの差が取り回しの良さに繋がります。
結局、どっちを買えば後悔しない?
ここまで比較してきましたが、どちらが優れているかというよりも、「どんなシーンで使うか」が選択の分かれ目になります。
サーマレストを選ぶべきシチュエーション
- 本格的な登山や縦走を計画している
- 標高の高い場所や、朝晩が冷え込む時期にもキャンプをしたい
- 一つの道具を長く、愛着を持って使い続けたい
- 信頼できるデータ(R値)に基づいた装備選びをしたい
キャプテンスタッグを選ぶべきシチュエーション
- これからキャンプを始めるので、まずは安く道具を揃えたい
- 夏場のフェスや、温暖な地域のキャンプ場がメイン
- 子供が使うので、汚したり雑に扱ったりしても心が痛まない価格がいい
- 広めの幅でゆったり寝たい
もしあなたが「これから趣味としてキャンプを長く続けていく」と決めているなら、最初からサーマレストを買っておいて損はありません。しかし、「年に数回、夏にしか行かない」というライフスタイルであれば、キャプテンスタッグのコストパフォーマンスは最強の味方になります。
まとめ:サーマレストとキャプテンスタッグを徹底比較!キャンプマットの失敗しない選び方
キャンプマット選びは、自分のスタイルを見極めることから始まります。
究極の断熱性と耐久性を求めるならサーマレスト Zライトソルを。手軽さと圧倒的な安さを優先するならキャプテンスタッグ EVAフォームマットを。どちらも多くのユーザーに愛されている名品であることに変わりはありません。
「寝心地」はキャンプの満足度を180度変えてしまいます。翌朝、鳥のさえずりで気持ちよく目覚めるか、体が痛くて重い気分で起きるか。この記事を参考に、あなたにぴったりの一枚を見つけてください。
地面からの冷気を味方につけるか、あるいは遮断するか。その選択が、あなたのキャンプライフをより豊かなものにしてくれるはずです。今回ご紹介したサーマレストとキャプテンスタッグを徹底比較!キャンプマットの失敗しない選び方を参考に、最高の夜を手に入れてくださいね。

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