「この自転車、ただ者じゃないな……」
アウトドアショップや街中で、ひと際異彩を放つ極太タイヤの折りたたみ自転車を見かけたことはありませんか?それこそが、日本を代表するアウトドアブランド、キャプテンスタッグが放つ異色の名作キャプテンスタッグ ワイルダーです。
20インチというコンパクトなサイズ感ながら、2.8インチのセミファットタイヤを履きこなすその姿は、まさに「小さな怪物」。ですが、このワイルダー、実は「買ったまま」で終わらせるのは非常にもったいないポテンシャルを秘めているんです。
今回は、ワイルダーの魅力を120%引き出し、世界に一台だけの相棒に仕上げるためのカスタム術を徹底解説します。重さや乗り心地といった気になる弱点を克服し、キャンプ場でも街乗りでも主役になれる「最強のワイルダー」を一緒に作っていきましょう。
なぜキャプテンスタッグのワイルダーは「カスタム」が前提なのか
ワイルダーを手にした多くの人が、最初に抱く感想は「かっこいい!」ですが、その次にやってくるのは「もう少しこうだったらいいな」という細かな要望です。
この自転車は、あえて「遊び」の部分を多く残して設計されています。頑丈なスチールフレームに、無骨なBMXハンドル。これは言い換えれば、オーナーが自分好みに色を塗り替えていくためのキャンバスのようなものです。
特に標準装備のタイヤは、砂利道や段差には強いものの、舗装路では少し抵抗を感じることもあります。また、重量もそれなりにあるため、パーツを交換して軽量化や効率化を図るメリットが非常に大きいのです。
キャプテンスタッグのアイテム全般に言えることですが、コストパフォーマンスが非常に高いため、浮いた予算をカスタムパーツに回せるのも嬉しいポイントですね。
乗り心地が激変する!ハンドル周りとサドルのアップデート
カスタムの第一歩は、体に触れる部分、つまり「接点」から始めるのが鉄則です。ここを変えるだけで、10キロ走った後の疲労感が全く変わってきます。
まず注目したいのがグリップです。ワイルダーの純正グリップはシンプルですが、長時間のライディングでは手のひらが痛くなりがち。これを人間工学に基づいたエルゴ形状のグリップに交換してみましょう。手のひら全体で支える形になるため、手首への負担が劇的に減ります。
次にサドルです。ワイルダーはもともと大きめのサドルが付いていますが、これをさらにクッション性の高いものや、逆にあえて細身でスポーティなものに変えることで、見た目の印象がガラリと変わります。
もしあなたが「ワイルドな外観」を追求したいなら、ブルックス サドルのようなレザー製を選んでみるのも面白いでしょう。使い込むほどにお尻の形に馴染み、スチールフレームとの相性も抜群です。
2.8インチの極太タイヤを活かす足回りのセッティング
ワイルダーの最大の特徴である「20×2.8インチ」の極太タイヤ。この魅力を最大化するには、空気圧の調整とペダルの交換が鍵を握ります。
実は、このクラスのタイヤは空気圧の設定ひとつで乗り味が別物になります。街中を軽快に走りたい時は少し高めに設定し、キャンプ場のデコボコ道や砂地を走る時はあえて少し空気を抜いてみてください。タイヤ自体がサスペンションのような役割を果たし、フワフワとした極上の乗り心地を体験できます。
そして、意外と見落としがちなのがペダルです。純正のプラスチックペダルは雨の日に滑りやすく、力も逃げがち。これを三ヶ島製作所 ペダルのようなアルミ製の高精度なものに変えてみてください。
足裏に吸い付くようなグリップ力と、ベアリングの滑らかな回転によって、同じ力で漕いでもスルスルと前に進む感覚を味わえるはずです。特にスパイクピンが付いたフラットペダルは、ワイルダーの無骨なルックスに完璧にマッチします。
積載能力をアップして「旅仕様」のワイルダーへ
ワイルダーにはフロントキャリアが標準装備されていますが、ここをどう活用するかがカスタムの腕の見せどころです。
お気に入りのアルミバスケットを取り付けるのも良いですが、あえてフロントバッグを装着して、ミニマルなスタイルに仕上げるのも都会的でスタイリッシュです。
さらに、リアキャリアを追加すれば、その積載性は一気に跳ね上がります。左右にパニアバッグを振り分ければ、ソロキャンプの道具一式を積み込んで「自転車キャンプ」に出かけることも夢ではありません。
2.8インチの太いタイヤは、重い荷物を積んだ際にも安定感があり、ふらつきにくいという隠れたメリットがあります。重い荷物を積んでこそ、ワイルダーの本領が発揮されると言っても過言ではありません。
ギア比の変更で「重い・登れない」を解消する
ワイルダーは外装6段変速を搭載していますが、車体重量があるため、急な坂道では「もう少し軽いギアが欲しい」と感じる場面があるかもしれません。
そんな時は、リアのスプロケット(歯車)を交換するカスタムが有効です。標準的なものから、ローギアがより大きいシマノ スプロケットに変更することで、驚くほど坂道が楽になります。
「メガレンジ」と呼ばれるような、一番軽いギアが極端に大きいタイプを選べば、キャンプ場の入り口にあるような激坂も、座ったままグイグイ登っていけるようになります。メカに詳しくない方でも、自転車店に相談すれば比較的リーズナブルに施工してもらえる人気のカスタムです。
夜道もキャンプ場も映える!灯火類のこだわり
カスタムの仕上げは、安全性とドレスアップを兼ねたライト類です。
BMXハンドルは取り付けスペースが広いため、複数のライトを配置する「多灯化」も容易です。メインの強力なライトに加えて、クラシックな雰囲気の砲弾型ライトをフロントキャリア下に取り付けると、レトロモダンな雰囲気が加速します。
また、テールライトも忘れずに。シートポストに取り付けるタイプだけでなく、サドル下に隠れるようなコンパクトなLEDライトを選ぶと、ワイルダーの太いタイヤが強調され、後ろ姿がより引き締まって見えます。
長く付き合うためのメンテナンスと防錆対策
ワイルダーのフレームはスチール(鉄)製です。アルミに比べて頑丈で、独特なしなりが心地よい素材ですが、天敵は「サビ」です。
特にカスタムパーツを組み込んだ後は、ネジ山や可動部にしっかりとグリスを塗り、フレーム全体にはシリコンスプレーなどで保護膜を作ってあげましょう。
キャンプで泥だらけになった後は、水洗いをしてからしっかりと水分を拭き取ること。このひと手間をかけることで、カスタムした愛車はいつまでも輝きを保ち続けます。手をかければかけるほど愛着が湧く。それもまた、ワイルダーカスタムの醍醐味なのです。
キャプテンスタッグ「ワイルダー」をカスタム!自分だけの1台で遊び尽くそう
ここまで読んでくださったあなたは、もう頭の中で自分のワイルダーがどんな姿になるか、想像が膨らんでいるのではないでしょうか。
サドルを茶色のレザーに変えて、真鍮のベルを付けて、太いタイヤを転がしながらのんびり川辺を走る。あるいは、真っ黒なパーツで統一して、夜の街を駆け抜ける。ワイルダーは、そのどちらのスタイルにも応えてくれる懐の深さを持っています。
一度にすべてを変える必要はありません。今週末はグリップを、来月はペダルを……といった具合に、少しずつ変化を楽しんでみてください。パーツをひとつ変えるたびに、新しい景色が見えてくるはずです。
さあ、あなたもキャプテンスタッグ ワイルダーを手に入れて、極太タイヤの魅力を引き出すカスタムの旅に出かけてみませんか?
その先には、既製品の自転車では決して味わえない、最高に濃密な自転車ライフが待っています。

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